犬とオオカミの血が混ざりあって生まれたウルフドッグという犬種がいるのをご存じですか?
飼育やしつけが難しく、一筋縄ではいかないウルフドッグですが、彼らならではの魅力があり、一部の愛好家によって世界中で愛されています。
今回はそんなウルフドッグの種類とそれぞれの特徴について見ていきたいと思います。
犬種としての基本的な部分に関しては下記をご覧ください。
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目次
ウルフドッグってどんな犬?
ウルフドッグは別名、狼犬といい、大型犬種のひとつ。
ハスキーやシェパードなどの犬種と、家畜化されたオオカミとを交配して産出されました。
オオカミの血が75%以上のものをハイパーセントと呼び、外見がオオカミに近いために、より好まれる傾向にあります。
性格面については、個体差が大きいとされています。
家畜を襲うオオカミのイメージから、凶暴な犬種と見られがちですが、飼い主がリーダーとして主導権を握っていれば、むやみに人畜を襲うことはありません。
野性味が強いため警戒心は強い反面、自然環境で生存しようとする本能から、仲間と認めた飼い主とは極めて良好な信頼関係が築かれるとされています。
その結びつきの強さは、ペットとして飼われて長い歴史をもつ他犬種よりはるかに強いのです。
しかし、知能は非常に高いが独立性が強く、ブリーダーやトレーナーのように熟練した人でなければ、完全にしつけることは容易ではないのも事実です。
ウルフドッグの種類
ウルフドッグといってもいくつかの種類に分かれています。
それぞれ特徴について見ていきましょう。
※日本国内で一般的に飼われているウルフドッグはカナダ等から輸入された雑種で、正式な犬種ではないですし、下記のいずれにも該当していません。
サーロスウルフホンド
容姿が良く身体能力も高いため、世界中のウルフドッグ犬種の中で最も人気があり、ショードッグやペット、ドッグスポーツの分野で大活躍しています。
またFCI(国際畜犬連盟)に公認されたウルフドッグ犬種の一つでもあります。
サーロスウルフホンドの特徴
オオカミと犬の中間の容姿をしていますが、オオカミの特性を多く引き継いでいます。
立ち耳にふさふさした垂れ尾で、毛並みはショートコート、毛色はハスキーとよく似ています。
体高60~75cm、体重36~41kgの大型犬で精悍な顔立ちをしていて、視覚・嗅覚も鋭いです。
引き締まった体は柔軟性があり、反射神経や持続力も持ち合わせ、運動神経が非常に高いのが特徴です。
性格は内向的で警戒心が強いですが、遠吠え以外にはめったに吠えず、主人や家族に対しては愛情深く、忠実で非常に優しいとされています。
チェコスロバキアン・ウルフドッグ
チェコスロバキアン・ウルフドッグとは、旧チェコスロバキア原産の犬種です。
FCI(国際畜犬連盟)に公認されたウルフドッグ犬種で、性質や外見などからしばしばサーロスウルフホンドの対として比較されています。
チェコスロバキアン・ウルフドッグの特徴
サーロスウルフホンドに比べると犬の特性を強く引き継いでいますが、外見は非常にオオカミに似ています。
立ち耳にふさふさの垂れ尾で、毛並みはやや長く毛色はウルフ系のものに限られ、冬毛と夏毛の量の差が激しいので、冬はふっくらした外見に対し
夏はややスリムな外見に変化します。
体高は60~65cm、体重は20~26kg前後の大型犬。
性格はやや内向的で大人しく、素直で忠実なのでしっかりとした訓練を行えば子供にも優しく、小動物や他の犬とも仲良くすることができるでしょう。
クンミング・ウルフドッグ
クンミング・ウルフドッグとは、中国の雲南省昆明市原産の軍用・警察用・番用の犬種です。
2008年に開催された北京オリンピックでは雲南省の警備にこの犬種が使われ、それによりはじめてクンミング・ウルフドッグが他国の人の目に触れる事になりました。
しかし、まだ新しい犬種のため中国国外での知名度はかなり低いようです。
クンミング・ウルフドッグの特徴
外見はジャーマン・シェパード・ドッグに似ていますが、スムースコートで毛色はウルフです。
脚が長くて体高も高く、体高64~68cm、体重30~38kgの大型犬で、立ち耳の垂れ尾です。
性格は知的で警戒心が強いですが、ウルフドッグと呼ばれているにもかかわらず、外交的で人馴れも良いようです。
他のウルフドッグ同様、運動神経は抜群で、飼育するとなると、長時間の散歩を必要とされています。
まとめ
オオカミは犬よりも強く、気高いイメージがあり、日常で使う言葉にも、1人でがんばる人のことを『一匹オオカミ』などといったりします。
対して犬は非常に身近な存在です。
最もポピュラーなペットとして人間と長い歴史を歩んできた犬ですが、祖先は狼だと言われています。
犬とオオカミは、もともと共通の遺伝子から枝分かれした生物だと言われそんな両方の遺伝子をかけ合わせたものこそがウルフドッグとなります。
良いところを合わせ持った新しいペットとして、最近注目を集めていますが、そもそもオオカミは、人間になつきにくいという特徴を持っています。
そのため、ウルフドッグの飼育には万全な環境と覚悟が必要となるでしょう。
お手軽とは言えないウルフドッグですが、一度信頼関係を築いてしまえば飼い主に一生の忠誠を誓ってくれます。
人生の相棒として、また、上級者向けのペットとして、ウルフドッグを育ててみるのも良いのではないでしょうか。