現在、数多くの種類の犬がいますが、中でもトイプードルは最も人気の犬。
特に日本でのトイプードル人気は絶大で、2008年に人気No1に躍り出てからも飼育頭数は増え続け、しばらくはトップをキープするのではと言われているほど。
では、なぜ数多くの犬がいる中でトイプードルが選ばれているのでしょうか?
そして、人気の要因とはどういった部分なのでしょうか?
今回はトイプードルの魅力、性格や飼育に関する情報、さらには寿命や価格といった様々な部分を各項目ごとに紹介していきたいと思います。
目次
トイプードルってどんな犬?
トイプードルのクリッとした瞳とキュートな外見、トコトコ歩く姿は、まさに「動くぬいぐるみ」。
トイプードルの人気はその愛らしさにあると言えますが、ただ単にかわいいだけでなく、他にも魅力的な部分は沢山あります。
性格、賢さ、しつけのしやすさ、抜け毛が少なくアレルギーフレンドリー、寿命の長さ等、挙げれば本当にキリがありません。
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また、近年、純犬種同士の交配させて産出するミックス犬が注目されていますが、これらの中でもポメプー、マルプー、チワプーといった人気上位の犬の大半はトイプードルが絡んでいます。
こういった所でも犬種としての見た目、飼育しやすさ等が伺うことができます。
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トイプードルってどんな性格?
明るく活発、好奇心も旺盛で、興味のある対象にはトコトコ自分から近付くことが多く、周りの人からも可愛がられることも多いです。
他の犬にも社交的で、散歩やドッグカフェ、ドックランにも問題なく連れて行くことができます。
感性豊かな性格で喜怒哀楽もはっきりとしていて、飼い主とのコミュニケーションも図りやすく、飼い主を喜ばせるために常に一生懸命な点も人気の要素になっています。
さらに、トイプードルは小型犬の中でNo.1、全犬種の中でも最上位の賢さを誇ります。
この学習能力の高さは、「飼い主の指示を理解でき、しつけがしやすい」ということにも繋がっており、家庭犬としての魅力の一つでもあります。
初めて飼育する犬はトイプードルがオススメ
という言葉をペットショップ等、様々なところで聞くことがありますが、これはまさしくその通りだと言えます。
水猟犬としての名残りから、指示にとても従順で忠誠心も強いので、しつけに間違えなければ問題行動を起こすようなこともほとんどありません。
もちろん個体ごとに性格や長所、短所は異なりますが、犬種カテゴリーからみると家庭犬として魅力的な部分が多いので、常に人気の犬種なのも納得できます。
毛色で性格が違うって本当?
犬種としての性格はほぼ変わることはありませんが、毛色によって性格の違いがあります。
その違いを知っておくと「どの子がいいかな…」と選ぶときの一つの参考になりますよね。
もちろん、個体差によって性格は違うので一概には決められないですし、育った環境や飼い主の接し方、また、悪質なブリーダーによる無謀な繁殖といった後天的要素によって本来の性格とはかけ離れた子になることもあります。
このあたりは予め念頭に入れておくことも大切です。
レッド
日本でトイプードルといえば、やはり「レッド」が圧倒的に多いです。温厚で人懐っこく、明るくて元気な性格なので、飼いやすさはピカイチ。
天真爛漫で常にポジティブな愛らしさはトイプードルの代表格と言えます。
機嫌がいい時はぴょんぴょん跳ねるように走って嬉しさを表現することもあり、とても感情豊かな性格です。
ブラウン
ブラウンは明るく社交的な性格の子が多く、初対面の人とも簡単に打ち解け、可愛がられます。
ただ、陽気で甘えん坊な性格の反面、独立新が強く協調性に欠けるところがあります。
「Theマイペース」といえば聞こえは良いですが、かなり自己中心的な面も強いのでしつけは根気よく続くける必要があります。
ただ一度覚えたことは忠実にこなしていくため、飼い主にとってはそれが可愛さにも繋がります。
シルバー
シルバーはトイプードルの中でも活発で一番の甘えん坊、それでいて、とてもシャイで頑固な一面もあります。
しかし服従心はトイプードルの中でもダントツで高く、飼い主との信頼関係を築きやすいためしつけがしやすいという利点もあります。
ホワイト
明るく社交的な一面もありながら、常に疑い深い慎重派が多いのがホワイトの特徴です。
落ち着きがあり頭が大変良いことから、飼い主への忠誠心が強くしつけがしっかり入るインテリな秀才君タイプが多いです。
アプリコット
レッドによく似た性格で明るく活発ですが、レッドと比べると繊細で神経質のため怖がり屋な一面があるのが特徴です。
社会性が少し劣ってしまうため、散歩で他の犬に会うと吠えたり、逆に飼い主の後ろに隠れてしまうこともよくあります。
このあたりは個体差によって差が大きく出る傾向にあるようです。
クリーム
もともとはホワイトの系統から生まれたクリーム色なので、ホワイトの性格が濃く残る場合が多いです。
特に、飼い主への忠誠心は飛び抜けて高いため、日本犬並みの忠実さが魅力です。一方でトイプードルの中で一番の個性派なので、風変わりなマイペースさも際立ちます。
言わば「天然の天才」タイプで、時には理解できないワガママで飼い主が振り回されることもあるかもしれません。
被毛の特徴
トイプードルの被毛は季節による換毛期がないシングルコートで、毛の臭いもほとんどありません。
被毛の色は上記でも触れた通り、レッド、ブラウン、シルバー、ホワイト、アプリコットで、いずれも強いカーリーヘア(巻き毛)で、フワフワで優しい毛質をしています。
なお、このような毛質は毎日のブラッシングケアと定期的なトリミングケアに惜しみなく手間とお金をかけてこそキープすることができるため、トイプードルの毛が綺麗な状態であるということは、飼い主の愛犬への深い愛情の表れでもあると言えるでしょう。
抜け毛は少ない
トイプードルは抜け毛が極端に少なく、フローリングや絨毯を繰り返し掃除するといったこともないので、日々の手間も少なく抑えることができます。
また、この抜け毛の少なさは犬アレルギーの症状の出にくさにも繋がっています。
これまでは犬の毛が原因でアレルギー反応が出ていたけれど、トイプードルに限っては大丈夫だったという話もよく聞きますし、アレルギーを持っているお子さんがいても、一緒に住むことが出来たという報告も少なくありません。
追記:
トイプードルならば必ずしも無症状というわけではありません。
犬アレルギーの原因もいくつもあり、あくまで犬の抜け毛が原因による場合、一緒に住める可能性があるということでもあります。
犬アレルギーの他の原因としては犬のフケ、犬の唾液、ダニといったものがありますが、これらが原因の場合は他の犬種と同じように症状が出る可能性が高くなります。
関連記事:犬アレルギーの8つの症状!治療で治る?費用と実際の治療内容とは?
カットの種類が豊富
トイプードルの魅力の一つとしてカットの種類が豊富というのが挙げられます。
フワフワとした優しい触り心地の毛が、さらに愛らしさが増しますよね。
最も一般的で、トイプードルの人気を一気に押し上げたテディベアカットの他に、ムスタッシュカット、ラムクリップやコンチネンタルクリプなどのカットもプードルならではと言えます。
個性的で注目を集めるアフロやモヒカンカットなど、カットスタイルを変えることができるのも飼い主には楽しみの一つです。
ただし、毛質や毛量、毛の長さ、肌のコンディションには個体差がありますし、顔立ちや性格によって似合うカットスタイルが異なってきます。
無理に短くしたりすると犬に負担がかかってしまうので、トリミングでトリマーとカットスタイルを相談しながら決めると失敗せずに済みます。
関連記事:トイプードルの人気のカット・スタイル5種類!料金はどのくらいかかる?
テディベア
トイプードルの代表的なカットといえば、なんといっても「テディベアカット」です。
プードル特有のふわもこな毛質を最大限に活かして、トイプードルの人気を不動のものにした定番カット。
トコトコと歩く姿はまるでクマのぬいぐるみのようです。
その可愛らしさは、誰もが認めるところですが、実は飼い主にとっては毛足が短いため毎日のお手入れがしやすく、汚れにくいため地肌も清潔に保つことができるなどメリットも多い点も人気の秘密と言えます。
洋服のテイストも選ばないのも、飼い主としては嬉しいところですね。
モヒカン
他のトイプードルとは一味違ったテイストのカットにしたい時は、頭の先をツンと尖らせたモヒカンカットがオススメです。
前から見ると、栗のような頭の形でかなり個性的ですが、トイプードルの愛らしい顔とのギャップでまた可愛い印象となります。
中には頭からしっぽまでモヒカンカットにしているツワモノもいますが、どこか愛嬌があり憎めないのもトイプードルならでは。
どちらかといえばアクティブな印象になるので、元気で活発な性格の子に似合うカットといえます。
モヒカンのボリュームは調節できるのでトリミングの際にトリマーと相談すると良いですよ。
アフロ
思い描くイメージそのままの「アフロカット」は、フワフワでボリューミーな頭が特徴的です。
ボリュームは自由に調節できます。
ボリュームを出すとかなりファニーなイメージに、逆にボリュームを抑えたマッシュルーム風のアフロにすると、テディベアカットとはまた違った愛らしいイメージになります。
いずれにしても、もこふわ感をキープするために、もつれや毛玉ができないように毎日のお手入れに気を使ってほしいスタイルです。
ムスタッシュ
「ムスタッシュカット」はピーナッツカットとも呼ばれることもあり、トイプードルらしい人気のあるカットスタイルです。
ムスタッシュは口ひげを意味しているのですが、トイプードルの場合は口周りの毛をまるくボリュームを残してカットするスタイルになります。
顔を前から見た際に、頭から口にかけてピーナッツのようなシルエットが特徴的で、マズルの長い顔立ちでテディベアカットがしっくりこない場合にオススメです。
ただ口周りが汚れやすいので、こまめなお手入れで清潔に保ってあげる必要があります。
代表的なカットだけでなくカットバリエーションをいくつか組み合わせることで、どんどんイメージが変わるのが、トイプードルの最大の魅力。
毎日のお手入れをしっかりしながら、可愛い愛犬に一番似合うカットスタイルを見つけてあげることも飼い主にとっては楽しみですよね。
ふわもこ感をキープするためにも、定期的なトリミングの時には必ずトリマーに正しいお手入れ方法を聞いておくとよいでしょう。
成犬の身体の大きさ
体高:24~28cm(JKC規格に準ずる)
体重:平均3kg前後(±1kgはOK)
トイプードルの成犬の体高は、国内で犬種認定を行っているジャパンケネルクラブ(JKC)によって24~28cmと厳密に規格が決まっていますが、体重についてはトイプードルの個体差によって幅があるため規格は特に定められていません。
そのため3kg前後とされる平均体重を目安として、約2~4kgの間で愛犬の健康管理をするようにしましょう。
もし体重が4kgを超えてしまうと様々な病気を発症する可能性が高くなるため、愛犬の食生活や運動量の見直しが必要です。
関連記事:トイプードルがかかりやすい11の病気~それぞれの治療、対処法とは?
時には遺伝的にトイプードルの規格より大きくなってしまうケースも少なからずありますが、愛情を注いで育てた愛犬の「個性」の一つとして受け入れると、サイズはあまり気にならないかもしれません。
寿命
犬の平均寿命は年々長くなっていますが、トイプードルの平均寿命は14~17歳とされており全体的に寿命が長く、小型犬の中でも特に長生きする犬種と言われています。
もちろん寿命には個体差がありますが、飼育環境や医療環境、適度なカロリー、良質な原材料のドックフードも関係しています。
トイプードルは元気で明るく活発な性格ですが、一方で繊細で神経質な一面もあるので、ストレスをあまり感じさせない環境を整えることも寿命を長くするために望ましいと言えます。
子犬の値段
値段が高いというイメージを持たれることも少なくないトイプードルですが、人気が高いレッドやアプリコットの毛色は10万~20万円前後が一般的な相場とされています。
しかし、ブルーやシルバーなどの珍しい毛色やドックショーのチャンピオン犬の直子犬など稀少価値が高い場合は販売価格が一気に跳ね上がります。
最近の傾向では、トイプードルの中でもより小さいサイズでマズルの短い愛らしくバランスの良い顔立ちに人気が集中しているため、時には100万円を超える値段で販売されている子犬もいます。
いずれにしても愛犬との出会いはご縁なので、販売価格の相場はあくまで参考程度としておくと良いでしょう。
ブリーダーから購入すべき?
トイプードルを購入する主な方法にはブリーダーとペットショップがありますが、それぞれにメリットとデメリットがあります。
ブリーダーで購入するメリットは、親犬を見ることができるので珍しい毛色や希望のサイズのトイプードルを確実に見つけることができることです。
また、比較的、免疫が強く健康的で質の高い子犬が多いことも大きなメリットでしょう。
デメリットとしては購入は予約制になることが多く、遠方のブリーダーの場合は事前訪問や子犬を迎えにいく手間がかかります。
また、中には乱繁殖を繰り返す悪質なブリーダーもいるので、口コミや飼い主つながりの情報をもとに事前リサーチが必要になります。
一方、ペットショップのメリットは、やはりいつでも購入できる手軽さ。
最近では引き渡しまでに最低限のしつけまで終えていることも多く、迎え入れた後の飼いやすさも注目されています。
デメリットとしては低月齢で母犬から離されるケースが多く、ストレスを受けやすい環境が長いため、新しい環境に警戒して社会性に不安が残る犬もいるということ。
飼い始めた時は注意する必要があります。
珍しい毛色や血統、成犬時のイメージを重視するなら良質のブリーダーで購入することがオススメですし、偶然にトイプードルを見かけただけであっても「どうしても飼いたい」と思った場合はペットショップで購入するのがオススメです。
まとめ
トイプードルは家族に迎えたその時からの変わらない可愛らしさが最大の魅力です。
賢くしつけがしやすい、穏やか、それでいてアレルギーフレンドリーと、長所、魅力は本当に多い犬なので、初めて犬を飼うご家庭にもオススメの犬種であると言えます。
トイプードルは小型犬の中でも寿命が長い犬種なので、愛犬が老犬になった際の介護や最期を看取るまで責任を持って飼うことが、多くの飼い主に今問われている大きな課題と言えるでしょう。