トイマンチェスターテリアとミニチュアピンシャー、ちょっと見ただけではどちらなのか見分けがつかないほどよく似ている犬種です。
見分けるポイントを知っていないと、穴が開くほど見比べてもきっと見分けられないでしょう。
そこで今回は、トイマンチェスターテリアとミニチュアピンシャー両者のルーツや見分け方、飼育方法等の違いなどについてまとめてみたいと思います。
どちらを飼おうか迷っている
そもそも違いが分からない!
という人は、ぜひ参考にしてみてください。
目次
トイマンチェスターテリアとミニチュアピンシャーの特徴
トイマンチェスターテリアとミニチュアピンシャーの違い、判別方法について触れる前にまずはそれぞれの犬種としての特徴を見てみましょう。
性格などの内面的な部分こそ違いはあるものの、見た目に関しては細かい特徴を把握していないと判別が難しいといえます。
トイマンチェスターテリアの簡単な特徴
トイマンチェスターテリアは別名「イングリッシュ・ブラック・アンド・タン・トイ・テリア」。
その名の通り、イングランド原産の犬種です。
体高25~30cm、体重は2.7~3.6kgという超小型犬で、毛色はブラック&タンの一種のみ。
性格は基本的に温厚で家族に対してはよく懐く半面、臆病で知らない人に対しては距離を置くこともあります。
また、祖先が狩猟犬であったことから、現在でも狩猟本能により自分より小さなものを追いかけ回してしまうことも…。
甘えん坊なぶん寂しがり屋なので、長時間一人で留守番しているとイタズラなどの問題行動を起こしやすくなります。
関連記事:英国産の超小型犬、トイマンチェスターテリアの魅力とは~飼育方法、性格、大きさは?
ミニチュアピンシャーの簡単な特徴
こちらも小型犬で体高は25~32㎝とトイマンチェスターとほぼ同じ、体重は4~5kgと若干重いのが特徴です。
毛色はトイマンチェスターテリアとそっくりなブラック&タン、そしてレッド、チョコレート&タンの3種類。
トイマンチェスターと見分けがつかないとされるのは、ブラック&タンの個体で、その他のレッド、チョコレートタンだと即座にミニチュアピンシャーと判断することができます。
トイマンチェスターよりも警戒心が強めで頑固で独立心の強い性格をしており、他の犬や人に対して攻撃的になることも少なくありません。
飼育する上で難しいとされる部分の一つでもあります。
しかし、一度飼い主の事を認めると高い忠誠心を持ち、優秀な番犬としての一面も持っています。
関連記事:ミニチュアピンシャー(ミニピン)の性格、子犬の大きさ、ブリーダーの販売価格
関連記事:ミニチュアピンシャーの魅力と人気の秘訣~頑固な気質で飼育はやや難しい?
判別方法、見分け方とは?
判別するのに苦労するのは前述したブラック&タンという毛色の場合です。
ミニチュアピンシャーの場合、このブラック&タン以外にもいくつものカラーがあるのに対し、トイマンチェスターテリアはこの一色のみ。
ですので、それ以外の毛色の場合は基本的にミニチュアピンシャーということになります。
なお、同じブラック&タンの場合は他の方法で見分けることになります。
ポイントはいくつかあります。
頬の柄
同じ「ブラック&タン」という毛色のトイマンチェスターテリアとミニチュアピンシャーは、柄も非常によく似ていますが、よく見ると頬の柄の入り方が違うのが分かります。
トイマンチェスターテリアの頬には丸い円形の模様があるのに対し、ミニチュアピンシャーは口元から頬まで柄がつながっています。
一方、下記はトイマンチェスターテリア。
つまり頬に丸い模様が独立していればトイマンチェスターテリア、なければミニチュアピンシャーということになります。
ペンシルマークの有無
トイマンチェスターテリアには四肢のつま先にペンシルマークという黒い部分があります。
出典:http://www.imgrum.org/user/nzmtnk/177649/1503484821119332900_177649
こちらの写真のように、四肢の先に黒い模様があるのが特徴です。
一方のミニチュアピンシャーには、基本的にペンシルマークがないのですが、稀にペンシルマークのある個体もいます。
サムマークの有無
トイマンチェスターテリアの前肢の爪から少し胴体寄りの部分にはサムマークという黒い模様があります。
先ほどの写真の子のにもありますね。
※根元の部分になります。
出典:http://www.imgrum.org/user/nzmtnk/177649/1503484821119332900_177649
これは別名、ダイヤモンドマークとも呼ばれ、トイマンチェスターテリアとミニチュアピンシャーを判別材料の一つになっています。
ただ、近年になって、ミニピンの中にも稀にこのサムマークがある個体が一定数、いることが分かっています。
飼いやすいのはどっち?
一般的にトイマンチェスターは賢く物覚えも良いので、躾がしやすく初心者向けだと言われています。
それに対してミニチュアピンシャーは攻撃的・やんちゃで扱いづらい性格をしており、どちらかと言えば上級者向け。
性質だけを見ればトイマンチェスターテリアの方が扱いやすい部類に入りますが、国内においては別の問題があったりもします。
飼育に関する情報量です。
入手のしやすさ、という点では断然ミニチュアピンシャーの方が上です。
トイマンチェスターテリアを飼うにはブリーダーに直接伺って購入することになるでしょう。
ミニチュアピンシャーはペットショップで見ることも多々あります。
実際、飼育頭数にも大きな差があり、飼い主、専門家問わず飼育に関する情報量が雲泥の差だったりもします。
※トイマンチェスターテリアの飼育ブログはほとんどありませんでした。
すなわち、これは健康上のトラブルがあった時にも当てはまります。
ミニチュアピンシャーの方が実例・症例が多いため、すぐに対処してもらえることも少なくありません。
同じように見えて犬種は異なりますし、ましてや原産国やルーツも異なります。
そういった意味での飼いやすさでは、どうしてもミニチュアピンシャーに軍配が上がります。
今後、飼育頭数が増えてくればこの問題も解消されますが、その時が来るのはまだまだ先かもしれません。
まとめ
トイマンチェスターテリアとミニチュアピンシャーの判別方法はいくつかありますが、最も見分けがつきやすいのは頬の柄になります。
判別方法は四肢の模様というのもありますが、こちらは例外があるというのが近年になって分かっています。
上で紹介した違い以外にも、「体重」「顔が違う」という見分け方もありますが、このあたりに関しては個体差もありますし見分けは難しいというのが正直なところです。
また、見た目こそ瓜二つなトイマンチェスターとミニチュアピンシャーですが、性格は全く違います。
性格面だけを見ればトイマンチェスターテリアの方が扱いやすいですが、飼育に関する情報量は圧倒的にミニチュアピンシャーです。
特に犬の飼育経験がない方はこの辺りも考慮した上で選んだ方がいいかもしれません。
※最後にもう一度、質問します。
こちらの犬種はどちらか分かりますか?