決してポピュラーな犬種ではないですが、とっても活気あふれる犬で、根強い人気を誇るのが、超小型犬のトイマンチェスターテリアです。
ネズミをしとめることにかけて最高の犬としてイギリスで評価されてきた歴史を持ち、わずかに狩猟本能が残ってはいるものの運動量は少なく、好奇心旺盛で優しい性格をしていると言われています。
今回はそんなトイマンチェスターテリアの歴史、飼い方から性格や大きさ、寿命などについて紹介していきたいと思います。
目次
トイマンチェスターテリアってどんな犬?
トイマンチェスターテリアは筋肉質で引き締まった体格をしており、躍動感あふれる走行ができますが、小型であることから家庭犬としての需要が大変高い犬種です。
よく似た犬種にミニチュアピンシャーという犬がいますが、特徴をとらえると全く違うことがわかります。
同じブラック&タンという毛色のトイマンチェスターテリアとミニチュアピンシャーは、柄もよく似ていますが、よく見ると頬の柄の入り方が違うのがわかります。
トイマンチェスターテリアの頬には丸い円形の模様がありますが、ミニチュアピンシャーは口元から頬まで柄がつながっています。
つまり、頬に丸い模様が独立していればトイマンチェスター、なければミニチュアピンシャーということになります。
※見極め方は他にもあるとされていますが、現時点では、この方法が最も見分けやすいとされています。
詳しくはこちらで解説しています。
関連記事:トイマンチェスターテリアとミニチュアピンシャーの違い!判別方法はある?
トイマンチェスターテリアの歴史
トイマンチェスターテリアはイギリスを原産とする優秀な犬種で、マンチェスターテリアを小型化して様々な犬種と交配を重ね、18世紀~19世紀頃に誕生しました。
当時ネズミを扱った競技が庶民の間で流行していたのですが、このトイマンチェスターテリアは人々に娯楽を提供する犬としても大切にされていました。
もちろん優秀な成績をおさめていましたが、ゲームに参加する以外にも愛玩犬として次第に浸透していました。
一時は大流行したトイマンチェスターテリアでしたが、1800年代後半にネズミを扱った競技が禁止されるに伴って犬種の人気も急降下し、第二次大戦後はイギリス国内に11頭しかいないという状況に追い込まれます。
その後1970年代に入って復興計画がなされ、イギリスおよびアメリカにおいて個体数を増やし、絶滅の危機を乗り越えました。
現在では日本でも大人気の犬種となっています。
トイマンチェスターテリアの飼育
外で走り回ったりして楽しむこともありますが、基本的に寒さは苦手な方なので、室内で暖かく柔らかい寝床で過ごすことを好みます。
そのため、屋内飼育を行いつつ、散歩や遊ぶ際に屋外へ連れ出す環境が最適です。
毎日30分前後の運動を行う事でストレスを軽減させる事が出来ますが、暑さや寒さに弱いためその時期は家庭内での運動だけでも構いません。
体毛はなめらかで短毛ですので、時折ブラッシングをする事で汚れや抜け毛をチェックしてあげましょう。
トイマンチェスターテリアが発祥しやすい病気としては、てんかん、フォンウィルブランド病などが挙げられます。
他にも椎間板ヘルニアや水晶体脱臼にかかりやすく、定期的に動物病院で目や関節の検査を受けさせてあげてください。
どんな性格?
元気よく好奇心旺盛ですが、我慢強く穏やかな一面もあります。
家族の中で明るく振る舞いながらも飼い主の指示には忠実で、まさに理想的な家庭犬です。
家族と一緒に遊ぶ事が大好きですが、見知らぬ人に対しては距離を置き、時には臆病な一面を見せる事もあります。
また、祖先が狩猟犬であったことから、現在でも狩猟本能が僅かに残っており、自分より小さなものを追いかけ回してしまうこともしばしばあります。
テリア種の血を引いていることもあり、けんか好きで、狩りの本能に長けています。
甘えん坊で寂しがり屋、長時間一人で留守番しているとイタズラなどの問題行動を起こしやすいです。
大きさ
原産国:イギリス
体高:25cm~30cm
体重::2.7kg~3.6kg
体高、体重ともに超小型犬で、体型は引き締まった流線をしています。
体高よりも体長がやや長い胴体と、背中はアーチがかったラインをしているのがトイマンチェスターテリアの特徴です。
すっきりと長い手足でしっぽは先にいくほど細くなり、やや長めの頭部とアーモンド形の目をしており、耳は立ち耳、半立ち耳、垂れ耳とバリエーションが豊富です。平均寿命は14歳~16歳と、犬種の中では長寿と呼ばれるほどです。体調や健康を管理すれば長生きする犬種です。
被毛
毛色はブラック&タンの一種類のみですが、ブラックの部分が多い傾向があり、真っ黒に近い個体もいるようです。
毛色はお互いに混じり合う事はありませんが、隣り合う事によりしっかりと境界が形成されます。
このあたりがトイマンチェスターテリアのも大きな特徴です。
被毛の手入れは、短いスムースコートなので、週に1回最小限で大丈夫です。たまにブラッシングをしてむだ毛を取り除いてあげましょう。抜け毛も少ないので、抜け毛が多いタイプの犬種よりも比較的手入れが簡単だといえます。
価格
ブリーダーから購入する際の相場は15万~25万円が目安です。
トイマンチェスターテリアは他の犬種に比べお産も軽く、一回に3匹~5匹ほど生まれるため、ブリーダーから購入しやすいことが多いです。
兄弟犬や親犬などの情報を聞くことができるため、成長後の気質や体つき、かかりやすい病気などを予想できるので安心です。
ペットショップで購入する場合はブリーダーから購入するよりも割高になり30万円を超えることもあります。
里親の募集もされているので、こだわりが無ければそちらで探してみるのもいいですね。
まとめ
愛らしい見た目と、気品のある姿が魅力のトイマンチェスターテリア。
しかしその見た目とは裏腹に、決して飼育し易いタイプではありません。
いつも楽しい遊びを探しまわっていて、はっきり言って落ち着きはありませんし、いたずら好きでいつも賑やかな犬種です。
しかし、この犬の性質をしっかりと飼い主が理解してあげれば、素晴らしいパートナーとなってくれるのです。
実際にそんなちょこまかした可愛い動きが気に入って飼おうと決める方も多いぐらいですし、そこは飼い主との相性、考え方による部分でもあります。
全力で愛情表現をしてくれるトイマンチェスターテリアとの暮らしは、これまでにない楽しい時間を満喫できることでしょう。
あなたがトイマンチェスターテリアを飼うと決めた際には、犬種の特性を活かして、しっかりとしつけをしてあげて下さい。