古くから番犬や放牧犬として飼育されてきた歴史ある犬でもあります。
一昔前の中国でのチベタンマスティフブームや一頭あたり1.5億の値がついたというニュースが取り上げられましたね。
それにより、チベタンマスティフの存在というのは知られるようになりましたが、今回はチベタンマスティフの飼育方法、飼育の難しさという部分に注目して見ていきたいと思います。
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目次
チベタンマスティフは日本で飼われている
チベタンマスティフが持つ犬種としてのインパクトも手伝って、特徴や性質は様々な媒体で紹介されていますが、飼育方法に関する情報はほとんどありません。
それも無理もなく、現在、日本で飼われているチベタンマスティフはごく僅かで、完全な希少犬でもあります。
ここで過去のチベタンマスティフの登録件数を見ていきましょう。
2011年 0頭
2012年 0頭
2013年 4頭
2014年 11頭
2015年 0頭
2016年 0頭
2017年 0頭
※ジャパンケネルクラブのホームページより
見てのとおり、2013年から2014年にかけて登録頭数が増えていますが、この2014年頃というのは中国の富裕層の間でチベタンマスティフが流行っていた時期でもあり、その時期に中国から輸入された個体が飼育されていたというのが考えられます。
以降、0頭が続いているのは中国でブームが去ったことで、繁殖が行われなくなったのか、もしくは市場が閉じたといったことが考えられますが、今後もよほどの事がない限り飼育頭数が増えることはないのではないなと考えられます。
また、チベタンマスティフという名前こそ知られていますが、日本ではほとんど知名度がないナポリタンマスティフ、ボルドーマスティフよりも明らかに飼育頭数が少なくなっています。
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こういった部分からも、いかに名前、知名度だけが先行しているかが分かりますね。
チベタンマスティフの飼育は難しい?
このように希少犬であるチベタンマスティフですが、 やはり飼育は難しく大変だと考えておいたほういいでしょう。
飼育できるかのポイントとしては、以下が挙げられます。
・子犬の頃からのしつけ
・とにかく身体が大きい
・運動量
・長い寿命
それでは順に見ていきましょう。
飼い主との正しい関係
チベタンマスティフを飼育するにあたって、絶対に欠かせないのが飼い主との関係です。
当然、しつけを行わなければいけないのですが、飼い主と犬自身がどちらが上の立場であるか、主従関係が築けているかどうかで、しつけの進み具合は変わってきます。
この関係を疎かにすると、他人に被害を与えるのはもちろん、自身や飼い主家族でさえも危険と隣り合わせになります。
そう考えると、飼育するとなった場合、飼育家族全員が正しい知識を持っておいた方がいいのかもしれません。
子犬の頃からのしつけ
これはチベタンマスティフに限った話ではありませんが、特に重要なのは子犬の頃からのしつけです。
チベタンマスティフは、他の犬種、特に中型犬等と比べて、成長スピードが遅く、成犬になるのが雄犬で4年、雌犬で3年かかるとされていますが、この期間のしつけが重要ポイントとなります。
子犬の頃というのは、しつけの吸収力も成犬の比ではないですし、何がいけないのか、何をすべきか、誰の言うことに服従しなければいけないのか、というのを身を以て理解させる必要があります。
これは家の中だけの話ではありません。
外出時も飼い主の指示に従えるようにしたり、身勝手な行動を取らないようにさせる等、やるべきしつけは使役犬並に多くいと考えておくべきでしょう。
身体が大きい故の危険性
超大型犬の中でも、身体がとにかく大きく、重たいので、子供や他の小さなペットがいる家庭では特に注意が必要です。
体格差があるため、遊んでいて少しぶつかったりするだけでかなりの衝撃になりますし、大人の男性であっても時に危険なめにあうことがあります。
じゃれていたり遊んでいても、ぶつかることはありえるので、もはやしつけでどうにかなるものではないのが正直なところです。
運動量
チベット原産のチベタンマスティフですが、超大型犬らしく、かなりの運動量を必要とします。
とにかく広い場所で自由に動き回ってもらうのがチベタンマスティフにとって理想的な運動になりますが、残念ながら日本国内にそのような場所は北海道、東北の山間部にしかありません。
散歩でいうと朝夕の2回、最低でも2時間ほどは確保してあげたいところです。
この2時間というのは人間にとっても、かなりの体力を必要とします。
チベタンマスティフの寿命
チベタンマスティフの寿命は10年前後。
超大型犬に分類されているので寿命も短いと思われがちですが、決して短命というほどではありません。
長生きする個体が増えてきた小型犬と比べると短い印象がありますが、チベタンマスティフと同じ超大型犬のグレートデーンが6~8年、セントバーナードが8年ということを考えれば、十分に長生きできる犬でもあります。
しかし、その分、最期まで世話するハードルというのは格段に上がります。
実際に海外では、飼育が大変ということで、チベタンマスティフの飼育の放棄が問題となったこともあります。
まとめ
ある程度の知名度のがあるのに飼育されることがほとんどないチベタンマスティフですが、実際に飼育するとなると、クリアしなければならない問題が本当に沢山あります。
何より、しつけだけでどうにもならないというのが最も大きな理由なのではないでしょうか。
今でも中国、チベットでは一定数飼育されていますが、日本で飼育するとなると難しいというのが現状のようです。