生活を共に送る人間と犬ですが、睡眠に関しては全く異なります。
睡眠時間の長さ、質など、違いは様々。
一緒に過ごすにあたって、
「寝すぎじゃないの?身体は大丈夫?」
逆に、
「いつ寝てるの?」
と、飼い主として、心配になったことがあるかもしれませんが、いずれも、そう心配することではなく、よほど具合が悪そうな時以外は何も気にせずに静観していても問題ありません。
なお、犬が具合が悪い時というのは他の症状が現れます。
関連記事:犬も風邪をひきます!覚えておきたい5つの症状と1つの予防法
上記は風邪に関する記事ですが、それ以外の身体の不調時も同じような症状が見られるので、こちらも併せてお読みください。
非常に長い犬の睡眠時間
犬の睡眠時間は成犬で12~15時間と人と比べても非常に長く、1日の半分以上は寝て過ごします。
仔犬、老犬になると18時とさらに長くなり、ここまで来ると様子を窺う度に寝ているような印象を持ちがちですが、犬にとってはごく普通のことでもあります。
生まれたばかりの幼犬や老犬は餌やトイレ、散歩以外は寝ているという犬も少なくありません。
犬の睡眠時間の長さというのは餌を確保するために狩りをしていたオオカミの頃からの名残で、狩りによって疲弊した心と身体を回復させるためのものとされています。
犬はいつ寝る?
「本当に1日に10時間以上も寝てるの?」
「それなら、いつ寝ているんだ?」
と疑問に思う方もいるかもしれませんが、これは飼い主が昼間、家を空けている時に寝ていることが多いから。
もしくは、下記でも書いている通り、眠りが浅いレム睡眠時で、近づいた時の物音で起きてしまうから。
睡眠時間が長い割に、目を閉じて寝ている姿を目にする機会が極端に少ないのには、こういった理由があります。
この昼間に寝るというリズムは犬本来が持つ(オオカミの頃からの習性という説もある)夜型の生活スタイルから来ているとされ、これは人間に飼われるようになった現在も変わらないというのが有力な説とされています。
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睡眠時の体勢
犬が寝ている時に最もよく見る、伏せの状態で顎を床に置く体勢ですが、これはレム睡眠の時。
外敵に襲われたとしても、すぐに動けるような体勢で、警戒心が強いオオカミの特性が現代まで引き継がれています。
逆にリラックスした体勢で寝ている時はノンレム睡眠時であるとされています。
この時の姿勢は様々ですが、主に床に這いつくばったり、丸くなったり、時にはおあむけの体勢で寝ていることも。
飼い始めて間もない頃は人間に対して警戒心があるのか、伏せの状態で寝ることが大半ですが、お互いの信頼関係を築けてくると、様々な体勢で寝る姿を見せてくれます。
これは飼い主としては、心を許してくれていると、喜ぶべきことなのかもしれません。
犬のレム睡眠の長さ
犬の場合、睡眠時の8割がレム睡眠という、浅い眠りになります。
人間の場合だと、レム睡眠は全体の2割というのを踏まえると、その長さが目を引きます。
レム睡眠とは身体こそ休めているものの、脳は動いている状態。
浅い眠りで、目を閉じてウトウトしている状態のことで、ちょっとした物音で起きたりするため、心配になることがあるかもしれませんが、犬にとってはこれだけでも十分に疲れを取ることができます。
また、レム睡眠の長さは警戒心が強い犬ならではの特性でもあり、いつ外敵に襲われても、すぐに動けるようにするためとも言われています。
深い眠り・ノンレム睡眠
残る2割はノンレム睡眠、よく言われる深い眠りのこと。
人間と比べると犬のノンレム睡眠というのは極端に短く、1日に僅か2~3時間ほど。
主に昼間のうちに行われ、夜は眠りが浅いレム睡眠であることが多くなっています。
ぐっすり寝るべき昼間に飼い主が家にいることが多い場合は、しっかりと寝てもらうよう、愛犬が安心する場所を確保して、なるべくそこで寝かせてあげたり、極力、起こさないようにする必要があります。
特に気を付けたいのが家の外からの音。
家の中の音というのは普段から聞こえている音なので、犬にとっては慣れてくるものですが、家の外、特に車やバイクの音は人が思っている以上に犬にとってはストレスになるので、出来る限り、聞こえないようにしてあげたい。
なお、ノンレム睡眠時に起こしてしまうと、犬にとってストレスに感じることがあり、時に怒りを露わにすることも。
この辺りは人間と同じと思っても差支えありません。
まとめ
寝る時間こそ人より長い反面、大半が浅い眠りで、熟睡する時間が少ないというのが犬の睡眠の特徴でもあります。
どちらの睡眠の時であっても、可能な限り、ゆっくりと寝かせてあげる工夫をし、愛犬がストレスを抱えないようにするのも飼い主の努め。
そのためには、寝る場所の確保、音を遮断、陽の光を抑える、他にも日常的に散歩などで身体を使う等、愛犬がストレスのない睡眠ができるよう、可能な限りは対策してあげたいところではあります。