シェットランド・シープドッグ(シェルティ)

シェルティの飼育は難しい?性格と毛色の種類!ブルーマール購入の際の注意点


小型のラフ・コリーと言われ人気の高いシェットランド・シープドッグ(シェルティ)は、名前のとおり、羊を追っていた牧羊犬です。

快活で物覚えがよい上、その美しい毛並みと多彩な色合いが愛好家達を魅了してやみません。

今回はシェルティという愛称で呼ばれるシェットランド・シープドッグの特徴や魅力と、ちょっと知っておきたいブルーマールというカラーの特色について紹介していきたいと思います。

↓シェルティは何位?
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シェルティの歴史


シェルティことシェットランド・シープドッグは、イギリス・スコットランド地方のシェットランド諸島原産の犬で、牧羊犬として働いてきた犬種です。

牧場で放牧している羊など家畜の群れを誘導したり見張りをしていました。
また、人間による家畜の盗難や、オオカミなどの捕食動物から守る仕事もこなしていたりと、人との関わりが深い犬でもあります。

牧羊犬の需要が減った今現在では、観光地の牧場なのでショードッグとしても活躍したり、優雅な外見に賢さ、家族に対する愛情の深さなどでペットとして人気を集めるようになりました。

優れた状況判断力に加え、運動能力も高く服従性が高いため、アジリティなどのドッグスポーツでも活躍するほど。
ボーダー・コリーが現れる前には、常にシェルティが上位に入賞しているほどでした。

シェルティの性格は?初心者向けじゃないって本当?

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シェルティの性格を評する際、よく「明朗快活で知的」と言われます。

牧羊犬らしく動きが機敏でタフなのですが、本質は穏やかで、子供ともよく遊んでくれます。
それに加え、他の犬にも社交的な態度をみせる犬種としても知られています。

こう聞くと「しつけやすい利口な犬」というイメージを抱くかもしれませんが、実は牧羊犬だったということが「アダ」になっている点があります。

シェルティの飼育のポイント

シェルティは自然の中で大きな羊の群を追い回す日々を送っていた犬です。
牧羊犬は羊の足先を噛み、吠えながら群を誘導していましたわけですが、現在のシェルティにもこのクセが根強く残っています。

・動くものに反応して噛みつく
・よく吠える

このふたつの習性を抑えることがかなり難しい犬種でもあります。

また、子供や他の犬は大丈夫ですが、家族以外の人にはよそよそしく、なかなか慣れにくい点もあります。

「来客の足に噛みついたり、吠えたりする」
「荷物の配達・新聞配達の人に対してよく吠える」
「自転車のタイヤに噛みつく」

こうしたトラブルが多いのがシェルティです。

シェルティを飼うならば、犬のしつけに慣れていたり、犬種としての特性をよく知っておいた方がいいと言われるだけあって、初めて飼う人や初心者にはあまりお勧めできないかもしれません。

トラブルに気を付ける

前述のとおり、動くものに反応して噛み付いたり、よく吠えたりもするので、他人や他の犬とのトラブルが多いのがシェルティです。

犬種としての特徴をよく理解し、しっかりとしたしつけが出来ることが、シェルティをペットとして迎える大きなポイントの1つです。

人と何かをすることが好きな犬種なので、楽しくトレーニングすることでしつけを覚えるのも早いです。
子犬の頃にいろいろな刺激に慣れさせることで吠えにくくもなりますし、飼い主も一緒になって課題に取り組み、しつけていきましょう。

運動量の確保でストレスの解消

シェルティはとても活発で運動能力が非常に高く、性格も活発であるためしっかりと運動が行えないような環境下では、ストレス等が溜まる要因にもなってしまいます。

1時間程度の長歩きの散歩でもある程度の運動量ではありますが、シェルティほどの運動量を誇る犬種には、広い場所でのびのびと走ることが求められます。

定期的にドッグランなどに連れて行き、思う存分走らせてあげることも大事です。

シェルティは飼い主の要望や指示を聞くことがとても好きなので、一緒に走りながら遊べて運動量を確保しながらも訓練が出来るアジリティや、フライングディスクなど、飼い主と一緒になって取り組める競技を始めてみるのも良いでしょう。

シェルティの寿命

シェルティの寿命は12~13歳と言われており、チワワなどの超小型犬に比べると、やはり少し短くなっています。

ただ、これは発症する病気が多いというところから来ており、健康に過ごした個体に関しては小型犬と変わらない寿命となることも少なくありません。

気を付けたい病気

注意したい病気として、遺伝的な要因が大きいとされる股関節形成不全・てんかん・外耳炎・甲状腺機能不全・白内障などがあげられます。

シニアになってから股関節トラブルや白内障といった症状が出てくると、介護が必要になる可能性があります。

また甲状腺機能不全を発症すると、動くのを嫌がるようにやり、食欲不振に陥りながら体重が増加する、といった症状が出ます。
代謝能力が落ち、皮膚トラブルが増え、脱毛したり寒さに弱くなって心臓の機能まで低下してしまう恐ろしい病気です。

原因はよくわかっておらず予防法はありませんが、早期発見によって症状を抑えることはできます。
ある程度の年齢にさしかかれば、日頃からよく観察して少しの異常のサインも見逃さないようにしてあげるようにしてください。

気をつけたい病気が多いので、飼う前に特性を知り、ペット保険なども検討しておいた方がいいかもしれません。

また、病気とは違いますが、フィラリア予防に使われる薬の成分、イベルメクチンはシェルティ(コリー系の犬)にとって禁忌ということも言われています。

こういった部分も注意しておきたいところではあります。

シェルティの身体の大きさ・サイズは?

体高:35.5~37.0cm
体重:9~11kg

被毛のボリュームによって、印象は変わってきますが、体のサイズは柴犬と同じくらいになります。

体のサイズだけを見るとマンションでも飼えそうなサイズですが、前述の通り、シェルティには牧羊犬の性質が強く残っています。

吠えて羊を追っていたため、どうしてもすぐに吠えてしまいがちです。
吠えないようしつけなければトラブルの原因になってしまいます。

さらに、豊かで美しく特徴的なダブルコートの毛は、毎日のブラッシングが欠かせません。
年に二度の換毛期にはビックリするほど毛が抜けるので、自宅でのトリミングが必須となります。

マンション住まいでシェルティを飼おうとお考えの方は、しつけとホームケアについて熟慮されることをおすすめします。

コリーとの違いは?

名犬ラッシーで知名度が上がったラフ・コリーとシェルティの決定的な違いは「体のサイズ」です。

ラフ・コリーは体高54~64cm、体重20~31kgと、シェルティと比べるとかなり大型です。

そして、頭の形もコリーの方が細長く、毛の生え方にも違いがあります。コリーには毛が短いスムース・コリーと言われるタイプがいますが、シェルティには毛が短いタイプはいません。

また、毛が長いコリーとシェルティも若干違いがあります。2犬種とも「ダブルコート」と言われる上毛と下毛の二層構造の毛をしていますが、シェルティの方がコリーより下毛が密生しています。

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シェルティの毛色

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シェルティにはいくつもの毛色が存在します。

主にスタンダードとして認められているのは以下の毛色になります。

※犬には「犬種確立」「犬種保護」の観点からスタンダードというものが定められており、それに近い犬を作出することが推奨されています。
スタンダードから離れる犬は純血として認められず、場合によっては遺伝的に不適切として作出が許されないケースもあります

トライカラー

ブラック、ホワイト、タン(茶)の3色の毛のシェルティです。
3色のバランスは個体によってまちまちですが、ホワイトは顎、胸、足に多く出ると言われています。

セーブル

あざやかな茶の毛が美しいタイプ(ホワイトの毛が混じるのはOK)、茶の毛に黒が混ざるタイプの2通りあります。

バイブラック

ブラックとホワイトの毛をしたシェルティです。

ブルーマール

ブルー(青灰色)、ホワイト、タン(茶)という3色の毛を持ちます。

このタイプは「マール遺伝子」と言われる遺伝子を持っており、その作用でブルー(青灰色)の毛の上に黒い斑点の模様が入り、トライとは違う色の出方をします。

また、マール遺伝子を持つため、ブルーまたは茶の中にブルーが混じるといった珍しい目をしたものがいます。

バイブルー

ブルーマールと同じくマール遺伝子と呼ばれる遺伝子を持つけれど、タン(茶)がないタイプです。

ブルーマールの子を選ぶ際の注意点を一つ

シェルティの中でもブルーマールは特に人気です。
「珍しくて美しい毛色」「左右の目の色が違う貴重な犬」として重宝がられ、販売価格は割高になります。

確かに魅力的ではありますが、ブルーマールブーム以降、より高値で売れる珍しいシェルティを作り出すため、悪質なブリーダーが「ブルーマール同士を交配する」ことがあります。

ブルーマール同士を掛け合わせて生まれた子は「ダブルマール」というのですが、これらの多くが遺伝子に問題を持ち、奇形児、耳が聞こえない、目が見えないといった異常を抱えて産まれてきます。

また、ホワイト(スタンダードとして認められていない犬)が生まれることがあるのも有名です。

ブリーダーがそうしたことを知らないはずがないのですが「珍しいシェルティ」と称して障害を持つ可能性のある子犬や、スタンダードで認められていないホワイトのシェルティをお金稼ぎのために販売されていることがあります。

時に「ブルーマールは病気」と言われますが、それはマイナスの要因を持つ遺伝子があるためです。

ブルーマールは確かに珍しく、シェルティ以外の犬種でも重宝がられることが多々ありますが、その実態を知った上で慎重に選ぶようにしたいところです。

もしも、ブルーマールの子をブリーダーから購入する場合はその両親も見せてもらうようにしてください。
両親ともブルーマールの場合は、ただちに購入を控えるのはもちろん、そのブリーダーとは一切関わらない方がいいのかもしれません。

まとめ

名犬ラッシーで有名になったコリーによく似た小型のシェルティは聡明で飼いやすそうなイメージが強いかもしれません。

しかし、優秀な牧羊犬特有の飼いにくさという点があります。

また、珍しいと重宝がられるブルーマールもその遺伝的な特質を知った上で選ぶようにしたいところです。

ペットショップで見ると、その聡明で愛らしい表情と毛の美しさから一目惚れしてしまうかもしれません。

実際にシェルティは過去から現在まで多くのご家庭で飼われ、その魅力は広く知られていますが、しつけや毎日のホームケアが必須になるというのを念頭に置き、十分に検討した上で迎えるようにしてください。

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