以前、テレビの情報番組のイメージキャラクターをつとめ、日本でも知られた存在のサモエド。
日本でのサモエドの飼育頭数は決して多くないにも関わらず、その特徴や存在が知られているのも、サモエド自体に十分な魅力があるが故でしょう。
ということで、今回はサモエドを飼育するにあたって気を付けたい部分、暑さ対策や被毛、抜け毛に関して紹介していきたいと思います。
サモエドの犬種としての基本的な部分については下記をご覧ください。
関連記事:真っ白でフワフワなサモエドの飼育方法~誕生の歴史、性格、価格は?
サモエドってどんな犬?
サモエドと聞くと、真っ白な毛におおわれた、真っ黒な瞳のもこもこした姿を想像する人が多いと思います。
原産地はシベリアで、見た目はスピッツに似ているため、一部ではシベリアスピッツとも呼ばれています。
トナカイの護衛やソリをひくなど、人間と暮らしていた歴史は長いです。
適度な警戒心は持ち合わせていますが、性格も甘えん坊で人懐っこく、他犬にも友好的です。
いつも笑っているかのような口元はサモエドスマイルと呼ばれ、穏やかな愛くるしい顔立ちで人気を集めています。
サモエドは暑さに弱い
寒冷地生まれのサモエドは、極寒にたえられるようなダブルコートの豊富な被毛と厚い皮下脂肪をもっています。
極寒の地で人間と生活していく中で、その被毛が湯たんぽかわりになるほどと言われるほど、保温性に優れていますが、暑さにはめっぽう弱いです。
一般的な犬種ですと、気温が30度を超える時期(7~8月頃)から暑さ対策が必要と言われていますが、サモエドの場合、気温が25度を超えてくる時期から対策が必要になります。
日本国内だと、地域にもよりますが、だいたい5月から10月初旬までの間は常に室温には気を配り、留守にする際は、より一層、注意する必要があります。
それでは暑さ対策について見ていきましょう。
暑さ対策
サモエドはその体の大きさから、外で飼う犬種と思われがちですが、温度調整が可能な室内で飼いましょう。
夏場は24時間エアコンはつけっぱなしで、室内の温度は20~22度くらいを保つようにします。
暑さのせいで食欲が落ちてくることもあります。
食欲が落ちてきたなと感じたら、普段のフードの中に嗜好品をまぜてあげたり、湯がいたささみをまぜてあげたりなど、食事の面も工夫しましょう。
水分もたくさん必要ですが、夏バテが進むと、お水を飲む量も減ってきてしまいます。
好むようであればスイカやきゅうりといった水分の多い野菜や果物を普段から食べさせたり、氷などをあげて飲み水以外の水分調整もしてあげるとよいでしょう。
また水遊びも大好きなので、近くに川や海などがあれば、水遊びをさせてあげるとよいでしょう。
熱中症、暑さ対策に関してはこちらの記事でまとめています。
参考にしてください。
被毛の特徴
サモエドの毛は、ふさふさで非常に細くやわらかい毛質をしています。
その被毛はアンダーコートとオーバーの2層構造になっており、寒さから守るだけでなく、夏場の紫外線や強烈な日差しから皮膚を守るといった大事な役目を持っています。
毛色は、真っ白なピュア・ホワイトといったイメージがありますが、実はこれはホワイトビスケットといって、ホワイトベースに少しやや明るめのブラウンのラインが入った毛色と、ホワイトより微妙に黄みがかかったクリーム色もあります。
抜け毛の多さと対策
サモエドは豊かな毛量からもわかるように、抜け毛が非常に多い犬です。
ダブルコートの犬種というのは多くの場合、抜け毛に悩まされることになりますが、中でもサモエドの抜け毛は群を抜いています。
※
毛のボリュームもとにかく多いので、部屋の汚れがとにかく目立ちます。
特に茶色系統のフローリングだと、常に毛が落ちているような感覚に陥るといっても過言ではありません。
そこで必要になるのが毎日のブラッシングです。
抜け毛対策や皮膚の健康状態を保つためにも、絶対に書かせません。
2層構造になっているため、スリッカーブラシとコームを用意することをおすすめします。
まず、スリッカーで余分なアンダーコートを取り除き、次にコームを使って細かい部分や残った毛をケアしましょう。
昔は、サモエドの抜け毛でセーターを編んだといわれるほど、膨大な量の毛が抜けます。
体も大きく、お手入れにはどうしても時間がかかるため、ブラッシングに途中から飽きてくることもあるので、今日は上半身、明日は下半身、という具合にその日にお手入れするパーツを決めておいてもよいでしょう。
とにかくサモエドと生活するうえで、お手入れは避けられません。
体が成長する子犬のうちからブラッシングに慣れさせておくようにしてください。
替毛期に特に注意
常日頃から抜け毛が多いですが、替毛期は特に抜けます。
替毛期というのは一般的に春と秋にあるのですが、サモエドの場合、特に冬から夏になる際の抜け毛が目立ちます。
毎日のブラッシングも、この時ばかりは1日2回は必要となり、あわせてシャンプーなど、月に1回はトリミングも必要になります。
サモエドの毛質は非常に柔らかく、ボリュームが多いので専門のトリマーにかかりましょう。
当然、毎月、お願いするとなると、それなりの費用が発生します。
飼育を検討しているならば、そういった部分も頭に入れておいた方がいいでしょう。
まとめ
サモエドと生活していく上で、暑さ対策と抜け毛との戦いは避けられません。
特に暑さ、気温に関して甘くみていると、命の危険に直面する可能性もあるので、決して軽視することはできません。
しかし、この二つをしっかり対処できれば、他の犬種と何ら変わりなく、高温多湿な日本のような地域でも、充分に一緒に生活できる犬種でもあります。