トイプードルやチワワに比べると、そこまで爆発的な人気があるわけではないパグですが、何とも言えない愛嬌のある顔立ちや人懐こく陽気な性格が、根強い人気を誇っています。
今回はそんなパグの歴史や性格、飼育方法について見ていきましょう。
↓パグは何位?
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パグってどんな犬?
パグ最大の特徴と言えば、何と言ってもくしゃくしゃとした「ブサカワ」な顔です。
低い鼻にたるんだ皮膚、可愛らしいタレ耳とつぶらな瞳。
まるでおじさんのような哀愁を感じる顔なのに、体は小さく体高25㎝・体重6~8kgというアンバランスさが、動きにも愛らしさを与えています。
人気ナンバーワンのトイプードルなどは整った可愛さであるのに対し、パグは絶妙な不細工加減が逆に愛嬌たっぷりで魅力的。
その見た目は名前にも表れており、「パグ」というのはラテン語で「握りこぶし」を意味する「パグナス」という言葉から来ているという説があります。
ということは原産国はラテン圏?と思われがちですが、起源に関してははっきりとしたことは分かっておらず、現時点では中国発祥という説が有力とされています。
パグの歴史
パグの歴史は、じつに紀元前2000年も前にまで遡ることができます。
当時はまだ現在のような小型犬ではなく、ペキニーズなどと交配を繰り返した結果、小型化していったと言われています。
紀元前600年ごろになると中国の皇室などで飼育されるようになり、その頃には現在のパグの原型がすでに出来上がっていました。
そして16世紀になると、オランダの交易会社により、パグはオランダへと渡ります。
オランダ貴族の間でパグは一躍大流行しましたが、特に王室ではシンボル的な存在として扱われ、絵画や墓標などに刻まれたりと深い関係を持ちました。
その後17世紀以降にはイギリス、フランス、アメリカと人気が広まっていき、1900年代前半には日本でもペットとして飼われるようになったのです。
パグってどんな性格?
パグの性格を表す時、一番に言われるのが明るくて陽気だということです。
社交性が高いので家族や飼い主のみならず、知らない人や犬に対しても友好的で、喜ばせることが大好き。
喜んでもらえるとわかれば、とても愛嬌のある仕草や甘え方をするので、ペットと密なコミュニケーションを取りたいという人にはたまりません。
警戒心が薄く番犬には全く向いていませんが、穏やかで攻撃性の少ない性格なので、子守り犬としては優秀です。
ただし頑固でマイペースな一面があるため、甘やかしすぎるとしつけ直しが難しいという難点も。
子犬の頃にうまくしつけができなければ、ワガママで扱いづらい性格になってしまうこともあります。
しつけは難しい?
パグは基本的には素直で人の言うことをよく聞くので、しつけがしやすい犬種だと言われています。
初心者向けの犬種として紹介されていることも多いので、しつけの基本を守れば難しいことはありません。
主従関係をしっかりし、過度な甘やかしや逆に厳しすぎるしつけをしなければ、すんなりと問題なく覚えてくれるケースが多いでしょう。
ただし頑固な一面があるため、一度間違ったことを覚えてしまうと、しつけ直しは大変です。
そのためにも、普段から甘やかしすぎるのは厳禁。
本来なら無駄吠えや噛み癖は少ない犬種ですが、甘やかしてしつけを怠ると無駄吠えをしたり噛み癖が付いてしまったりすることもあるので、気を付けてください。
飼育で気を付けたいこと
犬は舌を出して「ハッハッ」と激しい息をすることで体温の上昇を防ぎますが、パグはマズルが短いために上手く呼吸をすることができないのです。
激しく呼吸をしようとすると呼吸困難に陥ってしまう危険性があり、また呼吸によって体温を下げることができないと、熱中症にもかかりやすくなります。
最悪の場合は死に至ることもありますから、散歩は気温が下がる時間帯にする、常に水を用意しておく、クーラーや保冷材を活用するなど、入念な暑さ対策を行いましょう。
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また、暑さに弱いと聞くと、寒さには強いと思われがちですが、パグに関しては短毛種なので、寒さにも弱いところがあります。
基本的に初心者でも飼える犬種に数えられますが、飼育にあたっては室内の温度、さらには散歩の時間にも気を配ってあげる必要があります。
被毛
パグは短毛で、トップコートとアンダーコートの2重構造になっているダブルコートです。
基本のカラーはブラック、アプリコット、フォーン、シルバーの4種類。
毛の長さはありませんが、ダブルコートのためかなり抜け毛が多いので、日々のブラッシングは欠かせません。
寿命
パグの寿命は12~14年ほど。
小型犬の中では平均的、全犬種で見ると平均~やや長めと言ったところです。
少なくとも10年以上の付き合いになることは頭に入れておきましょう。
まとめ
パグは比較的体が丈夫で性格も穏やか、そしてしつけもしやすいという点から、初心者にもおすすめの犬種です。
小型犬でおとなしく無駄吠えも少ないので、日本の住宅事情にもマッチしていると言えるでしょう。
犬を飼おうと思っているならば、まずはパグから飼育してみてはどうでしょうか。