小型犬の中でも一定の人気があり、知名度も十分ですが、今回はパピヨンの犬種としての特徴から飼育するために気を付けておきたいことなどをいくつかピックアップしてご紹介します。
パピヨンってどんな犬?
パピヨンはフランス原産の小型犬であり、長い飾り毛のついた耳が特徴です。
「パピヨン」とはフランス語で「蝶」を意味しており、耳が蝶が羽を広げている姿に見えることから、この名前が付けられました。
この特徴的な立ち耳=パピヨンであると思われがちですが、じつは垂れ耳のパピヨンも存在します。
こちらは「パピヨン(蝶)」に対して「ファーレン(蛾)」と呼ばれていますが、多くの国では同一種として扱われています。
パピヨンの歴史
先述のようにパピヨンはフランス原産の犬種ですが、その祖先はスペイン原産のトイ・スパニエルだとされています。
フランスには16世紀ごろに広まったと言われており、エレガントな雰囲気から王侯貴族たちの間でブームを起こしました。
あのマリー・アントワネットの愛犬であり、彼女が処刑される直前まで一緒にいたという逸話は有名ですね。
元々は垂れ耳の姿が一般的だったものの、18世紀に入ると現在の主流である立ち耳の個体が交配により増えていきます。
さらに19世紀にはベルギーでも交配が盛んに行われるようになり、スピッツと交配してより立ち耳に、チワワと交配してより小型化され、現在のようなパピヨンの姿へと変化していきました。
そしてこの頃から、「パピヨン(蝶)」という名で呼ばれるようになったとされています。
そのため、パピヨンの原産は厳密に言えばフランスではなくベルギーなのでは、という声もあるそうです。
パピヨンってどんな性格?
見た目からは「大人しく上品」というイメージを想像しますが、じつは見た目に反してパピヨンはとても好奇心旺盛で活発な性格をしています。
そして人懐っこく、子供や他の犬・動物に対しても友好的です。
そのため、多頭飼いをする場合や小さなお子さんがいる場合でも、安心して飼育することができるでしょう。
ただし、成長するにつれてやや神経質で警戒心が強くなる傾向があり、慣れない物や人、事柄に対して過敏な反応を見せることもあります。
また、人懐っこい分、逆に相手にされなかったり頻繁に怒られたりすると、かなりのストレスをためてしまうことも。
毎日のコミュニケーションを大切にして、子犬の内からしっかりと信頼関係を築いておきましょう。
しつけは難しい?
パピヨンは全犬種の中でも8番目に頭が良いとされており、飼い主にも従順なので、しつけの難易度は比較的低いです。
好奇心旺盛な性格を利用して、遊びを取り入れながらしつけをすると、効率的に覚えてくれるでしょう。
ただし、パピヨンは賢い分、悪いこともすぐに覚えてしまいます。
飼い主ときちんとした上下関係ができていなかったり、ついつい甘やかしすぎたりしてしまうと、無駄吠えや噛み癖のある犬になってしまいます。
可愛いので甘やかしてしまいがちですが、子犬の時からしっかりと上下関係を作り、しつけを行いましょう。
飼育で気を付けることはある?
パピヨンの飼育で気を付けたいことを、ここでは3つ挙げていきます。
まずは、パピヨンの運動量について。
小型犬だからそんなに運動はいらないだろうと思われがちですが、とても活発で運動能力の高い犬種ですので、毎日の散歩・運動は欠かせません。
散歩ならば1日30分以上を目安に、飼い主とのコミュニケーションも兼ねてボール遊びなどもおすすめです。
そして次に、膝蓋骨脱臼という病気に気を付けてください。
元々パピヨンは膝蓋骨脱臼になりやすい犬種なのですが、家の中のフローリングは滑りやすく、活発なパピヨンは走り回るうちに関節を痛めてしまう可能性があります。
できる限りカーペットやマットなどを敷いて、パピヨンが滑りにくい環境を作ってあげましょう。
最後に、パピヨンはお留守番に向いていない犬種だということを認識しておいてください。
甘えん坊で人懐っこい性格は魅力的ですが、その反面、長時間一人っきりの環境に対しては大きなストレスを感じてしまいます。
1~2時間ほどのお留守番なら問題ないかもしれませんが、仕事などで日中はずっとお留守番という環境は好ましくありません。
飼育するならば、常に家族の誰かが家にいるという環境、もしくは犬を複数飼育しているような環境が望ましいです。
身体の大きさ
体高:20~28㎝
体重:2~5kg
大きさには幅がありますが、これはより原種に近い「ファーレン」が、通常のパピヨンよりも大柄な傾向にあるためです。
子犬の価格
子犬の価格は10万~30万円ほどが相場です。
価格に開きがあるのは、血統やブリーダーによって価格に差があるためです。
まとめ
パピヨンはとても人懐こく、上級者でなくても飼いやすい犬種であるといえます。
初めて犬を飼う家庭に対してオススメされることも多く、飼育にあたって難しく感じるようなこともあまりありません。
ただし、だからといって「簡単に飼える」というわけではありません。
飼育する場合は、事前に犬としての特徴を把握した上で、環境やしつけに気を付けてあげてください。