オールドイングリッシュシープドッグと聞いて、ミュージカル「アニー」を思い出す人も多いのではないでしょうか?
その見た目や穏やかな性質から、様々なアニメや映画、テレビ番組のマスコットキャラクターとしても採用され人気の高い犬種です。
今回は、そんなオールドイングリッシュシープドッグについて紹介していきたいと思います。
目次
オールドイングリッシュシープドッグってどんな犬?
その大きな体は、頭からつま先まで豊かな被毛におおわれ、モコフワな容姿から動くぬいぐるみともいわれるオールドイングリッシュシープドッグ。
肩幅よりもお尻が大きく、下半身がどっしりとした洋梨型の体系をしています。
大型犬の中でもその性質は穏やかで、飼い主以外の人や他の動物にも友好的なので、多頭飼いにもむています。
オールドイングリッシュシープドッグの歴史
オールドイングリッシュシープドッグの原産国はその名の通りイギリスですが、祖先や誕生の起源について様々な説はあり、詳細は不明とされています。
牧羊犬として活躍していたオールドイングリッシュシープドッグですが、シェトランドシープドッグのように羊を追いかけて群れをまとめるという仕事ではなく、群れの後方でオオカミなどの外敵から護衛する「家畜追い」が役割とされていました。
当時のイギリスは鉄道などはなく、家畜の移動はすべて足で行われていました。
確実に、家畜を目的地に送り届けるために、この家畜追いの役割を担っていたオールドイングリッシュシープドッグは非常に重要な存在でした。
また、オールドイングリッシュシープドッグは、古くから断尾され、「ボブテイル(しっぽが短い)」の愛称でも呼ばれています。
通常の断尾は、猟犬などが狩りの際、外敵やケガから身を守るために行われるのがほとんどですが、オールドイングリッシュシープドッグの場合、その事情は異なります。
18世紀頃のイギリスでは、作業犬は免税対象となっていたため、ペットと作業犬の区別をつけるため行われたのが断尾でした。
現在は動物愛護の観点から断尾はほとんど行われなくなり、尾があるオールドイングリッシュシープドッグは珍しくなくなっています。
また、ドッグショーに出始めのころは、目まで覆う多くの被毛が審査員には不評でしたが、1900年ごろに、毛を逆立ててフワフワに見せるグルーミング法が編み出されてからは現在でもショードッグとしても高い人気を保っています。
オールドイングリッシュシープドッグってどんな性格?
オールドイングリッシュシープドッグは賢く穏やかな性格の持ち主です。
社交性があり、他人や他の動物とも仲良くできる性格の持ち主で、その反面、人馴れしやすいので番犬には不向きとも言われています。
面倒見がよく、子供などを守ろうとする性質もあり、欧米などでは子守犬ともいわれています。
一方的に吠えたり噛みついたりといった攻撃的な面はありませんが、もともとはオオカミなどの外敵と闘う本能も残っているため、何か危害を加えられそうになると、低く野太い声で吠え、相手に立ち向かう強さも持ち合わせています。
しつけは難しい?
もともと賢い犬種で、性質も穏やかなのでしつけはそれほど難しくありません。
ただ、甘えん坊な性格と少々頑固な面もあるので、子犬のころから主従関係をしっかりしつけておく必要があり、日常生活においても、なでてあげたり遊んであげたりとこまめなスキンシップが大切です。
被毛の特徴
オールドイングリッシュシープドッグは顔全体が隠れるほど長く全身がフワフワした被毛が特徴的です。
強い日差しや寒さから皮膚を守るオーバーコートとアンダーコートのダブルコートになっています。
この二重構造は他の犬種には見られない特徴ある被毛です。
被毛の色
オールドイングリッシュシープドッグの二重の被毛は頭など体の前面は白をベースに、下半身にかけて青みがかった灰色でグラデーションになっています。
子犬のころは、黒と白の毛色ですが、成長とともに変化します。
抜け毛は多い
豊かな被毛からもわかるように、抜け毛が大変多い犬種です。
毎日のブラッシングはかかせません。
二重構造でからまりやすいため、まずはブラシやファーミネーターでアンダーコートを取り除き、コームでからまる毛をほぐして仕上げをしてあげます。
大量の毛が抜けますが、ブラシのし過ぎは皮膚を痛める原因になるためやりすぎは注意しましょう。
また定期的なシャンプーもかかせません。
熱中症に注意
ただ、その豊かな被毛が故、暑さには非常に弱く、日本国内での飼育においては気温だけでなく、湿度の面でも注意したい犬種としても知られています。
通常、25度前後は人間にとって不快に感じることは少ないですが、オールドイングリッシュシープドッグにとってはこれぐらい気温でも注意が必要になります。
地域にもよりますが、梅雨時期から10月初旬頃までは特に注意してください。
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まとめ
しつけなど特別難しいことはありませんが、一般的な大型犬同様、生活する際は家の中や敷地にそれなりの広さを必要としますし、太りやすい傾向の犬種のため、毎日の散歩はかかせません。
一緒に暮らしてみたいと考える際、見た目や人気だけで判断せず、その性質特徴を理解してあげれば、きっと最高のパートナー、家族になれるでしょう。