日本でも家庭犬としてたくさん飼われており、小型犬の中でも古くから人気のある犬種でもあります。
今回はそんなマルチーズが気を付けたい病気、遺伝性疾患に加えて、寿命について紹介していきたいと思います。
目次
マルチーズってどんな犬?
マルチーズが誕生したのは、紀元前1500年頃のヨーロッパだといわれています。
真っ白な毛色に愛くるしい顔が特徴的なマルチーズ。抱き犬として愛されてきた歴史があります。
性格はとても温厚で甘えん坊な一面もあります。神経質なところもありますが、基本的には社交的で明るいため、子供や高齢者など幅広い方に飼ってもらえる犬種です。
また、飼い主にたくさんの愛情を注いでくれるので、寂しがり屋な人や犬が大好きな人にはぴったりです。セラピードッグとしての能力も高いため、様々な場所で活躍しています。
散歩も、長時間する必要のない犬なので、忙しい人でも飼うことができるでしょう。
マルチーズの犬種としての特徴はこちら
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気を付けたい病気
マルチーズは、目に関わる病気や耳が垂れているためにかかる病気など、様々なものがあります。
早期発見、治療することで治癒も早くなります。
大切な愛犬が元気に過ごせるよう、毎日のスキンシップで体の異変や変化に気づいてあげるようにしましょう。
ここからは、マルチーズのかかりやすい病気、対策について紹介していきます。
老齢性白内障
白内障とは眼球の水晶体の一部もしくは全体が白濁し、視力障碍が起きる病気です。
老齢性だけではなく若年性のものもあります。
大怪我の原因にもなるため、まわりの物や壁などにぶつかるなど、気になる行動があれば迷わず受診しましょう。
眼瞼内反症
まつ毛が反り、常にまつ毛が眼球を刺激している状態になる病気です。
犬自身も目が気になってしまい、こすったり触ったりしてしまうため、細菌が入り角膜炎や結膜炎になってしまうこともあります。
まつげを抜くこともありますが、場合によっては内反した瞼を外科的手術で治療することもあります。
外耳炎
耳の垂れている犬に多い病気で、耳の中に細菌が繁殖することで起こる病気です。
激しいかゆみが起きるため、引っ掻いたり気にしたりするような行動がみられます。
また、ダニにより発病することもあります。
耳垂れや臭いなどの異変に気づいた際はすぐに病院を受診しましょう。
外耳炎は慢性化したり、繰り返し起こる可能性もあるので、定期検診に行ったり、こまめにお手入れをするようにしましょう。
関連記事:犬がかかりやすい外耳炎とは?原因、症状、治療内容から予防方法まで
膝蓋骨脱臼
うしろ足の膝蓋骨が正しい位置からずれてしまい、痛さから足を引きずったり、足に違和感を持つようになります。
そのような様子がみられたらすぐに受診するようにしましょう。
遺伝による発病もありますが、フローリングなどの床で足を痛めてしまうなど、日常生活の中で起こる外傷の場合もあります。
治療には外科的手術が適用されることが多いです。
予防するためにもフローリングなどには滑らないようマットやカーペットを敷くなど、環境作りをしてあげましょう。
低血糖症
子犬がかかりやすいといわれている病気です。
長時間、食事が摂れなかったりすると血液中の糖分濃度が薄くなり、栄養が全身に回らなくなってしまいます。
息使いが荒くなったり元気がなくなったり、痙攣などの症状が見られるようになると注意が必要です。体を冷やさないようにしたり、お腹をすかせた状態が続かないよう気をつけることが大切です。
水頭症
脳室内に脳脊髄液が溜まり、脳内の圧が高くなってしまう病気です。
転びやすくなったり、フラフラするなどの運動障害や視力障害、頭を壁に押し付けるなどの障害が現れます。
先天的なものがほとんどですが、まれに出産中の事故などで起こることもあるようです。いずれにしろ、予防することが難しい病気です。
治療方法は、脳圧を下げるための薬物治療や手術になります。
寿命
マルチーズの平均寿命は12歳~15歳ほどだと言われています。
個体差があるので、15年以上生きる犬もいるようです。
人間の年齢にすると68歳~86歳ほどになります。
寿命が長い小型犬(平均寿命は15歳)の中でも、マルチーズは特に長寿の犬種でもあります。
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寿命が長いからこそ気を付けたいこと
寿命が長いということは、飼い主と共に過ごせる期間が長いということになりますが、だからこそ気を付けたいことも存在します。
それは、今回、紹介している病気です。
長寿ということは老犬の期間が長いということでもあり、どうしても病気のリスクが付きまといます。
発症してから亡くなるまでの間、病気と付き合っていくことになるわけですが、当然、それを世話するのは飼い主です。
前述の通り、マルチーズの平均寿命である15年ですが、成犬である7~8歳で病気を発症した場合、生涯の半分を病気と付き合った生活を強いられることになります。
歳を重ねて身体も弱ってくると、半ば、介護のような形になってしまうこともあるでしょう。
そういった時に、しっかりと世話できるのか?
飼育を検討している場合、そういった部分も頭に入れておく必要があります。
まとめ
マルチーズの病気には生まれながらに持っている先天的なものと、生まれた後に発症する後天的なものがあります。
先天的なものには、遺伝的要因が大きく関わっている場合があります。
それぞれの犬種に、それぞれ個性があるように、その犬ごとにかかりやすい病気というものがあります。
大切な愛犬と幸せに暮らすため、飼い主はしっかりと健康管理に努めてあげましょう。