その特徴的な風貌から、テレビ等で紹介されることもあるコモンドールですが、実際にどんな犬なのかはまでは知られていません。
ということで今回はコモンドールの歴史、性格、被毛の特徴やお手入れの難しさについて紹介していきたいと思います。
コモンドールの歴史
その歴史は12世紀頃、遊牧民がハンガリーに移住した際、一緒に持ち込んだ大型牧羊犬がコモンドールの祖先といわれてます。
コモンドールという名前がついたのは16世紀ですが、実際にはそれ以前から存在し、主に狼から羊を護る護畜犬として活躍していました。
以後、ハンガリーからドイツ、ヨーロッパ、アメリカと広がり、1973年にアメリカでAKC(American Kennel Club)に認定されました。
長年、護畜犬としてのみ使われていましたが、近年はショードッグとして使われることが多くなっています。
見た目のインパクトから、古くから知られた存在ですが、シャギーコートの被毛は手入れが非常に難しいため、飼育されているのは原産国のハンガリーとアメリカ一部地域に集中しています。
コモンドールってどんな性格?
しかし、もともと家畜や使役犬をまとめるリーダーとして優れているため独立心も強く頑固な一面もあるため、例え飼い主であっても、リーダーと認めないことがあるとしつけはかなり困難です。
そのため、早いうちからしっかり飼い主がリーダーであることを理解させることが大切です。
一方、子供や自分より小さい弱いものに対しては、生まれながらに備わっている防衛本能によって守ろうとする傾向もあります。
被毛の特徴
コモンドールはもともと護畜犬だったことから、自身もオオカミや泥棒といった外的からの攻撃を守るために全身をコードとよばれる毛でおおわれているのが特徴です。
コードは三重構造になっていて、フェルトのように綿密です。上毛は粗く硬めのオーバーコート、中毛は油膜でおおわれた撥水性のあるミドルコート、下毛は細かく密生した柔らかい肌毛でできています。
色はアイボリーで、頭からしっぽまで全身をコードでおおわれている容姿はまさにモップ犬の名に相応しいと言えます。
被毛のお手入れ
実際に飼育するとなると、難しいのが被毛のお手入れです。
通常のブラッシングやお手入れはコモンドールのような犬種は不可です。
まずブラシがコードを通りません。
モップが床を歩くことになるため、色々なごみや人毛がからまります。
日々のお手入れは、毛についたゴミや死毛はすべて手で取り除くことが必須です。
絡まった毛をハサミなどでセルフカットも可能ですが、せっかくの見栄えが悪くなることがほとんどなので注意が必要です。
健康な皮膚をたもつためシャンプーも必要ですが、専門にまかせても、まずは複雑に絡まる毛をほどくことから始まるため、シャンプーから仕上げまで最低丸1日はかかります。
自宅トリミングは、ほどき方が不十分と乾かし方が不十分な場合、それが原因で皮膚病や毛が水分を含んだ状態で固まってしまうことがあるため絶対おすすめできません。
大きさ
体高はオスが約70~80㎝、メスが約60~70㎝
体重はオスが約50~60㎏、メスが約40~50㎏
完全に大型犬に分類されます。
体高より体長が長めで多毛のためわかりづらいですが、しっぽも長めです。
分厚い被毛の下は筋肉質な身体つきをしており、かつて狼と対峙していた時の面影を垣間見ることができます。
寿命
平均寿命は10~12歳です。
身体の大きさでみると平均、やや長いですが、日本国内ではかなりのマイナーな犬種であるため、飼育のノウハウ、特に被毛や皮ふに関する情報が極端に少ないという懸念があります。
いかに寿命をまっとうできるかは、日々、しっかりとしたケアが出来るかどうかが一つの決め手となります。
購入方法と価格
まず、日本にはブリーダーがほとんどいないため、一般的なペットショップでは予約以外購入できません。
流通ルートが確立していないので、そもそも予約できない店舗が大半です。
実際には海外のブリーダーから輸入して購入するというのが現実的です。
しかし、インターネットからでの購入がほとんどで、ネットの動画や写真だけでは、実際の皮膚の様子まで見ることができないので、購入後に皮膚病等が原因で短命になるケースも多くあります。
現地に見に行くか、1週間以内の皮膚の写真や動画を送ってもらう等して健康状態の判断をおすすめします。
購入価格は海外からの購入の場合、子犬でオス(50~120万)、メス(60~200万)海外からの輸送代手数料込みでこのくらいです。
まとめ
コモンドールは見た目はユニークながら性質的には、根はやさしくて力持ち的な、一緒の生活を憧れにしている人も非常に多い犬種です。
複雑な特徴から多種との交配が難しく、そのため遺伝性な病気は少なく絶滅に陥ったことはないため、今も頭数と人気は安定しています。
そのため、取引のお値段がわかりやすいのもメリットです。日本でも、環境とお手入れの手間時間等しっかり確保できれば、飼育は十分に可能です。