日本の犬として有名な柴犬などと比べるとマイナーですが、日本では古くから人々と共に暮らしてきた犬でもあります。
今回はそんな日本テリアについて紹介していきたいと思います。
目次
日本テリアってどんな犬?
日本テリアは日本原産としては唯一のテリア犬です。
海外諸国はもちろん、国内の知名度もかなり低く、一部の熱烈なファンによって引き継がれてきた犬種でもあります。
身体はイタリアングレーハウンドのように小さくてスマート。
体高はオス、メスともに約30cm~33cm、体重は約4kg~5㎏の小型犬で、体長と体高がほぼ同じ、スクエア型の体型をしています。
頭部はブラック、タン、ホワイト、体は稀にブラックやタンなどの斑点が入るものの、ホワイトが基本色となります。
このように頭部と体のカラー異なるのが日本テリア最大の特徴で、これは全犬種の中でも非常に珍しくもあります。
日本テリアの平均寿命は12歳~14歳くらいと言われていて、通常の小型犬と同じ程度ですが、希少種なだけあって、かかりやすい病気などの情報が少ないのが現状です。
日本テリアの歴史
日本テリアは1700年代に長崎に持ち込まれたスムースフォックステリアの原種犬と日本在来の小型犬を交配し、以後、改良を重ねて作られた犬種だといわれています。
さらに、改良の過程で交配した犬種は他にはイタリアングレーハウンドやトイマンチェスターテリア、トイブルテリアなど日本ではあまり知られていない犬種がいます。
日本犬というよりも、どこか洋風な雰囲気が漂っているのも、こういった要因から来ています。
昭和初期になると、抱き犬として人気が高まり、特に神戸で人気だったことから「神戸テリア」と呼ばれていた時代もありました。
しかし、太平洋戦争の勃発により、他の大多数の犬種同様、日本テリアの数が激減していきました。
愛好家たちの努力によって絶滅の危機は免れることができましたが、戦後からは徐々に洋犬の人気に火が付いたこともあり、日本テリアの存在感はどんどん薄れていくことになります。
寂しいことですが、現在も人気が回復する兆候はなく、希少犬種となっています。
そのため、未だはっきりとした考証が行われていないことから、系統なども具体的にわかっておらず、日本原産の犬ではあるものの、ミステリアスな部分が多い犬種になります。
日本テリアってどんな性格?
日本テリアの性格の特徴としましては、機敏ではつらつとしているところです。
家族に懐きやすく、明るい面を発揮するので、しつけなどもしやすく、とても飼いやすいです。
飼い主の雰囲気をいち早く察知し、何を求めているかわかってくれるので、言葉を覚えさせたいなどしつけをきっちりさせたい人には最適です。
忙しい時は寄ってこず、ゆっくりしているのを見計らって寄ってくるような賢い犬種になります。
一方で、知らない人や場所などでは警戒心を強く持つため、番犬としても適しています。
一人遊びもできる犬種なので、日中の留守番などもは心配することはありません。
「テリア」とはついておりますが、愛玩犬として改良されたため、他のテリアで見られがちな、気の強さという面は弱く感じられます。
ただ、大多数のテリア犬と同じように、他の動物に対しては好戦的になるところがあるので、そこはしつけによって正していく必要があります。
被毛の特徴
日本テリアの被毛はとても短毛で、毛の長さはわずか2㎜ほどしかありません。
被毛にはつやがあり、肌触りはビロードのように滑らかです。
こまめなブラッシングは必要ありません。
反対に頻繁にブラッシングをすると皮膚を傷めてしまうので、3日に一回の頻度で、ブラッシングに加えて柔らかいタオルなどでマッサージをしてあげるのが良いです。
その際は、柔らかめのブラシを選ぶようにしましょう。
シャンプーは短毛ということもあり、2週間に1回くらいで問題はありません。
イタリアングレーハウンドなどと同じように被毛が短く、寒さに非常に弱いところがあるので、冬の散歩時は服を着せるか、時間を短めにしておくのが好ましいです。
抜け毛
季節の変わり目の換毛期は抜け毛も多くなりがちですが、日本テリアは短毛種のため目立つほどにはありません。
日本原産の犬種は基本的に抜け毛が多いのですが、日本テリアは短毛なこともあり、抜け毛に困ることはあまりありません。
ただ、あくまで目立たないだけなので、時に抜け毛が狭い隙間などに入りやすくなってしまいます。
部屋の家具の隙間などに入りやすいので、部屋の掃除に少し手間がかかることがあります。
日本での飼育頭数
ジャパンケネルクラブに登録される頭数としては、平均して年間60頭程度になります。
過去5年間の数字を見ていくと、2013年63頭、2014年51頭、2015年73頭、2016年115頭、2017年71頭、2018年54頭となります。
この5年間で急激に減ったり、徐々に減ったりということはありませんが、復活の兆しを見せているわけでもありません。
ただ、2016年には115頭と3桁の数字にのっていることから、今後、増える可能性もあります。
日本特有の犬種の柴犬、秋田犬が外国で人気を博していますが、日本テリアについてはそういうわけでもありません。
ブリーダーはいる?
専門のブリーダーがいないわけではありませんが、数はとても少なく入手が困難とされています。
そのため、ペットショップに、おろされることはほとんどなく、手軽に見ることができるわけではありません。
価格はブリーダーによってさまざまですが、20万円~60万円程度と希少犬なだけあって、高額な部類に入ります。
日本テリアを飼いたいと思ったら、ペットショップに問い合わせるのではなく、インターネットを使いブリーダーを探すことが一番早い方法だと思われます。
ブリーダーを紹介
日本テリアのブリーダーは下記で探すことができます。
大規模な展開をしている犬舎ですと、直接の売買も可能ですが、希少犬である日本テリアに関しては、上記ホームページで日本テリアのブリーダー、もしくは子犬を探すことになります。
子犬が産まれて一定期間が経過した子から掲載されるのですが、やはり数としてはそこまで多くありません。
近年、登録ブリーダーは千葉、埼玉といった関東に集中しています。
まとめ
日本テリアは数少ない我が日本原産の犬であるにも関わらず、知名度も大してありません。
目にする機会すらほとんど無いのも影響しているでしょうが、日本産の犬であることを考えると少し寂しい気もします。
毎年、一定の飼育頭数がいるものの、近年は絶滅を危惧する声も上がっています。
存続のためには愛好家による努力が最も重要になってきますが、私たちが日本テリアという魅力ある犬がいるのを知るというのが、存続のための何よりもの大切な一歩なのかもしれません。