ハバニーズは、フサフサした豊富で艶やかな毛と親しみやすい顔立ちの小型犬です。
小型犬が人気の日本でも、あまり見かけることがない犬種ですが、最近ではアメリカなど海外で人気を伸ばしてきています。
今回は今後、日本でも人気犬種となりうるハバニーズという犬について紹介していきたいと思います。
目次
ハバニーズってどんな犬?
ハバニーズは別名「ビションハバニーズ」とも呼ばれ、キューバを原産としています。
現在のハバニーズはキューバ国内で絶滅したとされるハバニーズを改良した犬だともいわれています。
というのもハバニーズの前身の犬は、かつてキューバの上流階級の間で愛玩犬として高い人気を集めていましたが、キューバ革命により貴族が陥落すると絶滅の一途を辿ることになります。
間もなくしてキューバでは絶滅したとされていますが、アメリカへ亡命した人々が飼っていた11匹のハバニーズがいたため絶滅は免れます。
絶滅を免れたハバニーズをベースにマルチーズやピションフリーゼ、プードルなどをかけあわせて改良され、誕生したのが現在のハバニーズです。
なお、ハバニーズという名前は初めて聞いたにも関わらず、何か馴染みがある犬と言われることがありますが、理由としては日本でも人気のマルチーズやプードル等の血が混ざっているというのが考えられます。
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ハバニーズの飼育は簡単?
フサフサで豊富な被毛のハバニーズですが、暑さ、寒さともに弱いため、屋外での飼育はできません。
特に冬場はエアコンなどで温度調整に気をつけて室内で飼ってあげましょう。
たれ耳なので、外耳炎などの耳の病気になりやすく、特に湿度の高い雨の日などはこまめにお手入れしてあげましょう。
関連記事:犬がかかりやすい外耳炎とは?原因、症状、治療内容から予防方法まで
小型で屋内飼い向きの犬なので、特別な運動量も必要なく、マンションなどでも飼うことができます。
毎日散歩に出る必要はありませんが、友好的で好奇心旺盛な性質なので、公園やドッグランなどいろんな環境に連れ出してあげることをおすすめします。
ハバニーズってどんな性格?
ハバニーズは陽気で賢くおおらかな性格です。
人が大好きで、飼い主以外でもいろんな人に愛嬌をふりまき、人々を楽しませることに喜びを感じ、人や他の動物にたいしてもフレンドリーで攻撃性はなく、とても優しく接します。
温厚な性格から、近年海外などではセラピードッグとしても活躍しています。
一人でいるより飼い主や家族と一緒にいることを好むので、あまり長時間ひとりで留守番させていると不安症を引き起こす場合があります。
そのため、仕事が忙しく長時間家を留守にする人は飼い主としては不向きといえます。
上手に他人や他の動物とコミュニケーションがとれるので、小さい子供のいる家庭や高齢者、初心者まで飼いやすい犬種といえます。
しつけは簡単?
ハバニーズは賢く物覚えもいいので、しつけはしやすいです。
ですが、トイレトレーニングは少し時間を要しますので、失敗しても決して怒らず、サークルなどをうまく使って、上手にできたらしっかりほめるなど根気よく教えてあげましょう。
また臆病で警戒心をもちあわせてもいるので、無駄吠えしないよう、子犬の頃からいろんな環境で人や動物とふれあう機会をあたえて、おおらかでフレンドリーな性質をのばしてあげるとよいでしょう。
ハバナシルクドッグとは別の犬?
ハバニーズとハバナシルクドッグが同じ犬とされることがありますが、これは異なります。
キューバ革命後にアメリカへ渡ったハバニーズは、その後、アメリカで繁殖されることになります。
その際、小型犬やミニチュアプードルと交配されることで現代のハバニーズが誕生したのですが、元々のハバニーズの性質が失われることになります。
これを受けて一部のブリーダーたちがキューバ革命以前の姿を取り戻すべく、改良を重ねて誕生したのがハバナシルクドッグです。
本来の絹のような直毛と身体の大きさを取り戻し、本来のハバニーズの姿となったハバナシルクドッグは数こそ少ないものの、アメリカ、キューバでは熱烈な支持を得ています。
ハバニーズの被毛の特徴
ハバニーズの被毛は「シルクドッグ」という名前からもわかるように、柔らかく絹のような光沢をもちなめらかで豊富です。
オーバーコートは柔らかで軽く直射日光から肌を守り、熱がこもりにくくするという役割を果たしています。
アンダーコートは少ない、もしくは全くない個体もあります。
豊富な被毛は柔らかく絡まりやすいため、毎日のブラッシングは必要になります。
顔まわりも目ヤニで涙やけしやすいので、コームなどを使ってとってあげたり、少しカットしてあげるなどのお手入れをしてあげるとよいでしょう。
ハバニーズの毛色は様々で、ホワイト、オレンジ、フォーン、レッドなど多彩ですが、ヨークシャテリアのように子犬から成犬になる成長過程において、毛色が変わる子もいます。
特定の毛色の子が欲しい場合は、購入前に親犬の毛色を確認することで、ある程度、把握することができます。
しかし、それも100%引き継ぐわけではないので、目安として考えておく方がいいのかもしれません。
抜け毛は多い?
ハバニーズの被毛はオーバーコートとアンダーコートの2層にわかれていますが、アンダーコートは薄いので、特別抜け毛に気を付ける必要はありません。
巻き毛と直毛の個体があり、どちらも非常に柔らかく絡まりやすい毛質のため、毎日のブラッシングは必要になります。
また、毛がよく伸びるので定期的なトリミングも必要となります。
ハバニーズの大きさ
体高:23~29cm
体重:3~7kg
小型犬でオスメスともに大きな差はありません。
小さいながらも、しっかりとした骨格を持ち、胴が長く足が短いです。
似ている犬としてマルチーズやシー・ズーが挙げられますが、彼らと比べると、やや足が短くなっています。
そのため、ステップを踏むようなかわいらしい歩き方をするのもハバニーズならではの特徴でもあります。
なお、アメリカで改良されたハバニーズはマルチーズとかけあわせたことで、キューバ時代のハバニーズよりも小型化されています。
平均寿命も12~14歳と長いので、健康面に気を付けて長生きできるよう上手に育ててあげましょう。
子犬の価格
ハバニーズは日本ではまだまだ希少なため、ブリーダーからの直接購入になります。
子犬の価格は20~35万ほど。
需要がそこまで多くないため、標準的な価格ですが、親犬がチャンピオンだったり何かしら付加価値がつくと価格は一気に格段にあがります。
日本ではブリーダーも少ないので、予約待ちとなる場合がほとんどですし、飼育頭数も多くないので里親として譲り受ける機会もほとんどありません。
海外ブリーダーからの購入の場合、だいたい50万ほどになります。
アメリカで人気の犬なので、ブリーダーの数も日本の比ではありませんが、金額さえ用意できれば購入できます。
ただ、最低限の英語は必要になりますし、購入前に直接、会いに行くのも現実的ではないので、購入のハードルは上がります。
まとめ
小さなエンターティナーとも呼ばれるほど、人を喜ばせることが大好きなハバニーズ。
その見た目も、マルチーズやプードルなどの犬種をかけあわせているので、初めて見る人でもなじみやすい、身近に感じる容姿をしています。
まだまだ日本では希少な犬種ではありますが、大型犬が人気のアメリカで人気が出てきているのも興味深いところです。
容姿性格ともに魅力的なので、小型犬大国の日本でも、これから注目される機会が増えていくかもしれませんね。