抜群のスタイルと肉体美で、昔も今もたくさんの人を魅了する巨大犬種です。
ドイツが原産国で、ドイツでは『ドイチェン・ドッゲ(ドイツのマスティフ)』と呼ばれて愛されているグレートデーンですが、見た目は強面でも内面はとても優しいとされています。
今回はそんなグレートデーンの歴史から性格、などについて見ていきましょう。
目次
グレートデーンって一体どんな犬?
大きい体格のため、なかなか日本の住宅地などで育てるのは難しく、育てる地域が限定されてしまうグレートデーンですが、JKC登録犬数は全体の44位の269匹(2017年)と、思いのほか多くのグレートデーンが日本で飼われていることがわかります。
また、グレートデーンは断耳されている個体と耳が垂れている個体に分かれています。
原産国であるドイツでは狩りの際、イノシシやオオカミに長い耳を引っ掛けられたり噛まれたりする恐れがあり、それらの予防のため断耳を行っていましたが、現在はショードッグとして耳が立っている方が威厳があり高貴なイメージを保つとされ断耳されています。
それに対し、英国では断耳は違法とされているため、英国で飼われているグレートデーンは全て断耳されていない自然な垂れ耳の個体のみになります。
堂々とした出で立ちと強靭な体力、そして優しく忍耐強い性格を全て兼ね備えた犬として、ギリシャ神話に登場する最上級の神、太陽神アポロンになぞらえて「犬の中のアポロン」とまで言われているのです。
最強のハンター『グレートデーン』の歴史
グレートデーンのもともとの祖先犬はチベタン・マスティフと考えられていて、ドイツでイノシシ狩りをしていた土着犬と、グレー・ハウンドの血をかけ合わせたのが始まりとされています。
そして、マスティフの様なドンとした重量感を感じられないのは、グレイハウンドが入っているからだと言われています。
血統は400年以上も続いており、日本に入ってきたのは明治時代とされています。
グレートデーンという名前は、18世紀頃からフランス人が『グラン・ダノワ( le Grand Danois )』、大きなデンマーク人と呼んでいたのを百科事典の編集者ウィリアム・スメリーによって、グレート・デーンと英訳され、現在も英語圏ではこの名で親しまれています。
しかし、デンマークの犬種と間違えられることが度々あったため、1880年ドイツのベルリンでこの犬種の正式名称を『ドイチェン・ドッケ(ドイツのマスティフ)』とすることを決定し、現在でもドイツではドイチェン・ドッケと呼ばれています。
グレートデーンは飼いやすい?
まず最初に必ず確認しないといけないことは、グレートデーンの大きさに合う十分なサイズのスペースが用意できるかどうか、そして、どこか遠出したりすることを考えて車も大きめの物が必要になるということです。
温厚な性格ではありますが、子犬の頃からしつけはしっかりとする必要があります。
しつけ自体、特に難しい犬ではありませんが、常に飼い主が主導権を握るような形を取るぐらい、厳しいぐらいがいいでしょう。
子犬はじゃれているつもりかもしれませんが、いかんせん身体が大きいため、机のものを全てひっくり返したり、子供を押し倒してしまうことがあるからです。
今後大きくなることを最初から常に考えて、しつけ、行動していかなければなりません。
何より毎日の食費や、何かあったときの獣医療費が高いため、それなりの貯金は必要になるでしょう。
しかし、毎日の生活は大きい体をしているだけで内面はとても優しく、おっとりしているので家の中では癒しの存在になってくれること間違いないです。
抜け毛とお手入れ
非常に短毛で抜け毛問題はそんなに深刻ではありませんが、超大型犬なので特に春と秋の換毛期(毛の生え変わり時期)には毛が大量に抜けます。
しかし、長いフサフサな被毛の犬種とは違ってお手入れは非常に簡単で、ブラッシングや濡れたタオルで拭いてあげればほぼ綺麗になります。
そのお手入れに欠かせない物といえばブラシ。
グレートデーンの場合、2種類のブラシを用意してあげましょう。
まずは静電気がおきにくい天然の豚毛の獣毛ブラシ。
獣毛ブラシは血行を良くし、毛に艶を与える役割をします。
もう1つはラバーブラシ。
ラバーブラシは、その名の通りゴム製なので、やわらかく愛犬の皮膚を傷つけない程度にブラッシングができ、使った後は水洗いができるので清潔に保てます。
特に換毛期は、このラバーブラシで体に残っている抜け毛をある程度取ることができるので、飼い主の方も愛犬もお互いすっきりできると思います。
ブラッシングの頻度は、週に2~3回マッサージも兼ねてブラッシングをしてあげるのがベストでしょう。
見た目と性格が正反対なグレートデーン
とにかく大きい見た目で存在感はすごく、怖いイメージが強いグレートデーン。
しかし、実際飼ってみて毎日一緒にいるとわかるのですが、大変優しく、寛大で、ゆったりしていて静か。
その性格から、優しい巨人といわれるほどです。
巨大にはなりますが、しつけを最初にしっかりすれば子供やお年寄りにも友好的で大変飼いやすい犬種です。
他の犬の挑発に乗ることも無く、辛抱強く、飼い主に必ず服従する性格です。
自分の気持ちだけで行動しないところが飼い主を安心させ、その性格が飼い主と愛犬の絆や信用を深めていく結果になっていくことでしょう。
しつけはマスト!!
それはしつけです。
成長していくと子馬程度の大きさになることを十分理解してください。
小さい子犬の時期からちゃんとしつけておかないと、子馬程度の大きさになった犬をしつけるのは並大抵なことではありませんし、最悪の場合、自分や周りの人たちが怪我をする結果になるかもしれません。
そうならないためにも、飼い主の義務としてしつけを完璧にしましょう。
グレートデーンは頭のいい犬種なので、しつけは楽でしょう。
子犬の時期からしっかりと飼い主(人間)に服従するよう、服従トレーニングが主になります。
飼い主やその家族がコントロールできるようにしないといけません。
この服従トレーニングがちゃんとできていれば、飼い主の傍から離れることはなく、足元や近くでゆったり横たわっていることが日常になるでしょう。
同時に散歩の際も飼い主からあまり離れることなく飼い主と一緒にペースを合わせ歩いてくれるようになります。
もしも、トレーニングをする自信が無い場合は躊躇せず、早めに必ずトレーナーを見つけお願いしましょう。
巨大犬のサイズは?
最大級の大きさと言われているグレートデーンですが実際のサイズはどのくらいなのでしょうか?
体高
オス:76cm
メス:71cm
体重
オス:55kg
メス:46kg
体重に関しては同程度の犬種は他にもいますが、グレートデーンが特筆すべきなのは体高で、全犬種の中でも高く、お腹の下は小型犬はもちろん、中型犬でさえもくぐることができるほどです。
最大級のギネスサイズ
ゼウスは2014年に5歳の若さで亡くなってしまったので、現在はギネス保持犬ではないものの、今までで一番背の高い犬として有名です。
体高:111.8cm
体重:70.4kg
後ろ足で立つと2m23cmにもなったそうです。
ゼウスが亡くなった後、2016年12月に世界一背の高い、生存している犬に選ばれたのがイギリスのフレディ。
フレディは2017年の計量で、体高が103.5cm、後ろ足で立つと227.3cmにもなります。
寿命はかなりの短命
丈夫そうで、病気知らずのような外見からは想像もつかないと思いますが、全犬種の中でも、かなりの短命で病気にかかりやすい犬種でもあります。
グレートデーンの平均寿命は6~8年と言われ、同じくらいの大きさの超大型犬と比べても短く、決定的な理由は明らかではありません。
しかし、老衰というよりは、病気を患って亡くなってしまうことが多く、多いのは体重が重い犬種でよく見られる骨肉腫、胃の一部に捻じれが生じ血流が止まり壊死してしまう胃捻転です。
明確な原因はわかっていませんが、グレートデーンにはよく起こる病気として挙げられるので、常に健康管理を心がけ気をつけてあげましょう。
まとめ
体の大きさと性格は全く正反対のグレートデーン。
この犬種を飼うにあたってたくさんの不安があると思います。
しかし、それ以上にグレート・デーンは飼い主に寄り添い、時に手助けをし、周りにいる全ての人が笑顔になれること間違いない犬種になるでしょう。
見た目だけで恐れず、フレンドリーな優しい巨人をぜひ飼ってみてはいかがでしょうか?