お腹を見せて何か言いたげな表情をしている姿はとても可愛いもの。
なんとなくしているようにも見えるかもしれませんが、犬が仰向けになるのには何かしら意味があることが多く、飼い主であるあなたに何かを伝えようとしているのです。
ただ単に意味なくしている場合もありますが、愛犬のその時の感情を読み取ることで、コミュニケーションが取れ、さらなる愛情が芽生えるはずです。
こちらでは仰向けになる理由とその時の感情を紹介していきたいと思います。
犬が仰向けになる理由
犬が仰向けになるのには何かしらの理由があったりするのですが、大した意味がない場合もあります。
例えば、単純に癖であったり、背中が痒かったり、眠いだけであったり…
仰向けになる理由というのは多くの場合、存在するのですが、上記のような特に気にする必要のないパターンというのもあります。
仰向けでの意思表示
一方で、犬が何かしらの意図を持って仰向けになることがあります。
一言でいうと意思表示ですね。
行動によって何かを伝えようとしているパターンになります。
犬というのはオオカミ時代、群れで生活を送っており、共に過ごしていくためにはコミュニケーションを取る必要があったのですが、それが現代まで引き継がれ、同じことを飼い主に示すことが多々あります。
ただ、ペットショップ出身の犬の場合、生まれて間もない頃に親犬から引き離されており、犬同士のやり取りが上手にできず、仰向けを含む身体を使ったコミュニケーションというのが苦手な子もいます。
服従
犬が信頼している飼い主に対して見せる「服従」のメインサインでもある腹見せのポーズです。(ヘソ天と呼ばれることも)
弱点でもあるお腹を仰向けになって見せるのは敵対心がないことのアピールであり、同時に飼い主が自分よりも優位の存在であると理解していることのアピールです。
うれしい・愛情表現
犬は感情豊かな動物であり、自分が可愛がられていることや愛されていることを全身で感じ、自分からも可愛がられたいことを全身で表現します。
信頼している飼い主にはもっと撫でてもらえれば嬉しいのでどんどん真上にお腹を向けたりすることもあります。
安心している
気持ちよく寛いでいたり、眠っている時に見られる仰向けは、その場所ではすっかり安心していることを表しています。
つまり、警戒心が全くない状態なので、リラックスしている証拠です。
特に家の中や飼い主の傍で見られる姿です。
おねだり
「ちょうだい」や「一緒に遊んで」といったおねだりのサインになります。
それまでに何度も仰向けになったことで遊んでもらえた、おやつがもらえたといった経験をしっかり学習している表れともいえます。
仰向けにする際の注意点
犬種によっては仰向けをさせる際に注意しなければならないことがあります。
愛犬が仰向けになって様々なサインを送ってきてくれる姿は、飼い主にとっては可愛くて仕方がないですよね。
しかし、犬種によっては仰向けの姿勢を長時間続けさせたり、無理にさせない方がベターなケースもあるので、愛犬の犬種が当てはまらないか注意しておきましょう。
例えば、腰に負担がかかりやすい骨格の犬種(プードルやダックスフント、柴犬、パピオン、ビーグル)は骨異栄養症の犬種である場合が多く、長時間の体を反らせる仰向けの体勢は骨格上向いていないため、腰を痛めてしまいヘルニアを発症する原因にもなってしまいます。
中でもダックスフントは全犬種の中でもヘルニア発症率は飛び抜けて高いので、特に注意してください。
また、鼻先が詰まった短頭首犬(パグ、フレンチブルドック、シーズーなど)は、他の犬種比べて鼻腔が狭く、鼻腔から口頭、咽頭、気道が詰まりやすいので、気管虚胱を誘発しやすいとされています。
そのため、仰向けになって眠っている時の咳やくしゃみで、鼻水、タン、また食べたばかりのオヤツやごはんを吐いてしまうといったことも少なくありません。
また、本来お腹を上に向けるのに適した骨格ではない犬が仰向けになって眠っている時に、呼吸が荒かったり、通常とは違ういびきをかいているといった異常があれば、仰向けになることによって気管が狭くなり息苦しさを感じていることが考えられます。
そんな時は一度かかりつけの動物病院で相談してみると良いですよ。
さいごに
大好きなオヤツやお気に入りのオモチャを見ると、お腹を見せる愛犬の姿は可愛いですよね。
もちろん、すべての犬が仰向けの姿勢を好むわけではなく、個体の性格によっても仰向けの姿勢を嫌がる犬もいます。
そんな時は無理強いせずに様子を観察してみましょう。
犬は感受性が大変強く、とても賢い動物です。
仰向け以外にも、多様な表現方法で様々な感情を飼い主に伝えてきているはずですよ。