イングリッシュグレイハウンドはグレイハウンド犬の中では世界一有名で、その名のとおりイギリス原産の犬種です。
グレイハウンドというと、日本ではイタリアングレイハウンドが人気ですが、欧米諸国で最も知られているのは、このイングリッシュグレイハウンド。
元々はその走る速さを生かして、狩りやレースに用いられていましたが、現在では家庭犬としても広く親しまれています。
今回はそんなイングリッシュグレイハウンドの飼育方法、性格やしつけ、大きさについて紹介していきたいと思います。
目次
イングリッシュグレイハウンドってどんな犬?
イングリッシュグレイハウンドはイギリス原産の大型犬で、サイトハウンドグループに属します。
日本で馴染みのあるサイトハウンドといえば、イタリアングレイハウンドやウィペットが有名ですが、このイングリッシュグレイハウンドは登録頭数が2016年で1頭、2017年で0頭(JKC犬種別登録頭数)と、日本ではほとんどみかけることのない非常に珍しい犬種です。
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サイトハウンドとは非常に優れた走力と視力を持ち、足の速さと視力により獲物を追跡する犬のことで、270度以上の視界を持つとも言われていますが、中でもイングリッシュグレイハウンドは、全犬種の中でも走る速さはトップクラスで、時速60km以上、その歩幅は5.4mに達します。
スピードではチーターのみがグレイハウンドを上回ると言われています。
元々生きた野うさぎを狩るコーシング・ハウンドでしたが、そのスピードを生かすべく、後にレース用として発展していった犬種でもあります。
すらっとした体つきが美しく、気品ある外観で近寄りがたい雰囲気がありますが、実はとても穏やかで身体の大きさを除けば、比較的飼いやすい犬です。
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イングリッシュグレイハウンドの飼育は簡単?
イングリッシュグレイハウンドの飼育のポイントはいくつかあります。
・寒さ対策
・猟犬なので、しつけはしっかりと
猟犬らしく独立心が旺盛で強情な一面があるので、しつけトレーニングは早い段階でしっかり取り組むようにします。
外では動くものを追う本能が刺激される恐れがあるため、散歩時はリードを離さないようにし周囲に注意を払う必要があります。
飼い主がきちんとコントロールできるよう小さい頃はもちろん成犬になっても主従関係をしっかりと保つことが大切です。
おもいっきり走り回れる環境の確保
大型犬ということで、運動量が多いと思われがちですが、イングリッシュグレイハウンドの場合、とにかく走るのが大好きな犬です。
短距離を得意とするスプリンターなので、長時間のゆったりした散歩より、毎日1日2回の30分程度の散歩と、全力疾走できる屋外スペースやドッグランで全力で走らせてあげるというのが理想です。
また、イングリッシュグレイハウンドは本能的に動くものに対して、異様に執着するところがあります。
ドッグランでは他の犬もいるわけですが、追いかけまわすことがあります。
トラブルにならないよう、あらかじめしっかりとしつけをしておく必要があります。
寒さに弱い
イングリッシュグレイハウンドはシングルコートでボディに密着した短毛タイプの犬種です。
寒さに弱いので、室内飼育の方が望ましいでしょう。
というよりも屋外飼育は完全に不向きです。
屋内で飼うにしても、ゆっくりとくつろげる暖かく柔らかい寝床を用意してあげ、冬場の温度管理には注意が必要です。
雨の日や風の強い日なども、濡れた状態や寒さを感じやすい状態にしないようにレインコートやアウターは必ず着用するようにします。
イングリッシュグレイハウンドってどんな性格?
イングリッシュグレイハウンドは愛情豊かでとても優しい性格の持ち主です。
もの静かで落ち着きがあり、屋内ではとても大人しくのんびりと過ごすことが多い犬で、お気に入りの場所で長時間くつろぐ姿から、「最速のカウチポテト」とも呼ばれています。
カウチポテトとは、アメリカの俗語的表現でソファ(カウチ)から動かず長時間過ごす人のことを指します。
基本的にムラのない性格をしていますが、繊細で寂しがり屋、やや強気な一面を見せるところがあります。
賢くて理解力もあるので、適切な飼育環境でしっかりとトレーニングするとそれに応えてくれます。
良い関係が築くことができれば、家庭の中でかけがえのない存在として日々をより豊かにしてくれます。
グレイハウンドは静と動の部分があり、出掛けて動き回るのも大好きですが、いったん家に帰ると一気にクールダウンし、おとなしくリラックスして過ごします。
しつけは難しい?
イングリッシュグレイハウンドは基本的には穏やかな犬種ですが、サイトハウンドのスイッチが入ると、飼い主の指示が通らない傾向があるので、しつけは十分に行う必要があります。
運動同様、グレイハウンドの本能を満たすようにしてあげるしつけが大切で、心身が満たされず退屈になると、ストレスがたまり問題行動や破壊行動に発展しかねません。
運動をさせる場合には、散歩以外にも全速力で走れる環境が必要です。
動くものを追いかけるのは本来の性質であるため、十分に訓練されていない限り、公共の場ではリードを放すことは許されることではありません。
跳躍力もあるジャンパーでもあるので飼育する際には高いフェンスの庭は必要です。
家に迎え入れた時点でしつけをすぐにはじめましょう。
また、繊細な性格のため、叱ったり、出来るまでやらせたりするのではなく、ご褒美を与えていくしつけが向いています。
繊細な面が少しでも軽減するように、早い時期から多くの人や場所、状況に慣れさせ、臆病にならないように注意してください。
イングリッシュグレイハウンドの大きさ
体高:オス 71~76cm メス 68~71cm
体重:オス 29~31kg メス 27~29kg
イングリッシュグレイハウンドは無駄のない引き締まった体つきをしています。
サイトハウンドは、優れた視覚と走力で獲物を追跡捕獲する犬なので、引き締まったスリムな体は空気抵抗を減らし、速く走るうえで非常に優れています。
また、その細さ故に、大きさを感じることはありませんが、体重で見ると立派な大型犬でもあります。
まとめ
走るために生まれてきたといっても過言ではないイングリッシュグレイハウンド。
驚異的な運動能力が知られていますが、一方で家で過ごす時間はとにかくのんびりゆったり過ごすことが大好きな犬種です。
基本的にはもの静かで落ち着きがあり、とてもマナーのよい犬なので、静と動のメリハリをつけた飼育環境が適しています。