毛がない犬種の中では最も人気があると言っても過言ではありませんが、中には全身を毛で覆われたタイプもいることを知っていましたか?
存在こそ知っていても、実際にどんな犬なのかまではほとんど知られていないのも事実。
ということで今回はそんなチャイニーズクレステッドドッグの魅力や飼育について、見ていきたいと思います。
目次
チャイニーズクレステッドドッグってどんな犬?
チャイニーズクレステッドドッグは、何と言っても個性的な見た目が特徴の犬種です。
ボディには毛がないのに、頭や足の先には流れるような美しい毛。
まるで繊細なトリミングを施されたようなスタイルが、天然のものだというから驚きです。
これが「優雅で美しい」と見えるか「少し不気味」だと見えるかは人それぞれではありますが、どちらにせよ否が応でも人目を惹き付ける風貌ということに変わりはありません。
チャイニーズクレステッドドッグの歴史
名前に「チャイニーズ」とついていることから中国原産だと思われがちですが、元々はアフリカ原産の犬種です。
彼らの祖先はアフリカン・サンド・ドッグという犬種で、それが13世紀ごろから交易によって世界各地に広まり、中国で交配が行われたものを特に「チャイニーズクレステッドドッグ」と呼ぶようになりました。
中国の男性の髪型である「クレストヘア」に似ていることから、その名が付けられました。
戦時中には一時期絶滅の危機に瀕したこともありますが、愛好家たちの手により再びその人気と知名度を取り戻したと言われています。
ヘアレスタイプとパウダーハフタイプの違い
ヘアレススタイルが特徴的なチャイニーズクレステッドドッグではありますが、実は全身に毛があるパウダーハフタイプも存在します。
このパウダーハフタイプは全身を細くなめらかな毛に覆われており、一見すると全く別の犬種のよう。
ヘアレスタイプのチャイニーズクレステッドドッグは汗をかくための「汗腺」があるので、舌での温度調節をしませんが、パウダーハフタイプは普通の犬種のように舌で体温調節をするというのも大きな違いです。
また、ヘアレスタイプ同士を掛け合わせて生まれた個体は、遺伝子的に歯が弱い、歯の数が足りないといった問題を抱えていることがあります。
それに比べるとパウダーハフタイプはそういった問題がなく、丈夫な個体が多いと言ってもいいでしょう。
チャイニーズクレステッドドッグってどんな性格?
チャイニーズクレステッドドッグは、忠誠心が強く飼い主によく懐きます。
社交性があるので、多頭飼いをしても他の犬とよく馴染むでしょう。
しかしその半面、寂しがり屋でプライドが高く、さらには内向的といった繊細なところも持ち合わせています。
感受性がとても強いので、他の犬からの攻撃や人間の怒鳴り声などには委縮して落ち込んでしまうことも。
比較的しつけやすい犬種ではありますが、しつけの際は高圧的に怒ったりするよりも、遊びやご褒美などを取り入れて楽しくしつけられるように工夫をしましょう。
警戒心から家族以外の人間や他の犬に吠えてしまうこともありますが、基本的には攻撃性の少ない大人しい犬種です。
飼育は難しい?
性格の面では、攻撃性が少なく飼い主に忠実という点から、比較的飼いやすい犬種と言えるでしょう。
しかし日常生活の面では、気を付けてあげなければならないポイントがあります。
最も大切なのは、スキンケア。
ヘアレスタイプは人間の皮膚と同じように、スキンケアを行ってあげなければなりません。
季節によって日焼け止めや保湿クリームを塗ったりする必要がありますし、人間のようにニキビや吹き出物ができることもあります。
皮膚を清潔に保つためには、週に1度はシャンプーをして清潔さを保ってあげましょう。
そして毛がない分寒さにはとても弱いので、国内での飼育においては衣服が必須。
またパウダーハフタイプの場合には、長い毛が絡まないように毎日のブラッシングや定期的なトリミングが必要となります。
大きさ
体高:28~33㎝
体重:3~6kg
分類としては小型犬であり運動量もさほど多くないため、室内での飼育にも向いています。
寿命
寿命は13~15歳と、小型犬としては平均的な長さです。
中でもパウダーハフタイプの方が身体が強く、寿命が長い傾向があるのに対し、ヘアレスタイプはやや短くなっています。
まとめ
チャイニーズクレステッドドッグは、見た目、性格どちらをとってもとても魅力的な犬種です。
特にヘアレスタイプは、スキンケアなど他の犬種ではすることのないスキンシップがとれるのも楽しみの一つでしょう。
パウダーハフタイプも独特の美しい毛並みを楽しむことができますし、どちらにしても飼い主さんの生活にたくさんの潤いを与えてくれることでしょう。