騎士という意味を持つキャバリアの正式犬種名はキャバリア・キングチャールズ・スパニエル。
大きい目と長く垂れた耳、少しカールがかった愛らしい風貌で日本でも登録犬数が15~20位と人気犬種になりつつあります。
今回はそんなキャバリアの歴史から性格、飼育時のケアや大きさについて見ていきたいと思います。
目次
キャバリアってどんな犬?
キャバリアの原産国はイギリスで、小型犬の一種でスパニエル種に属します。
日本ではキャバリアもしくはキャバと呼ばれて親しまれていますが、愛くるしい姿から愛玩犬とされがちですが、キャバリアの祖先は実は猟犬で、今でも鳥などを見つけると興味を示す事があります。
子犬の頃はスマートな印象を持たれるキャバリアですが、生後1~2年頃から耳と尾、脚が飾り気で覆われ、キャバリアらしい特徴が見られるようになります。
キャバリアの歴史
キャバリアの歴史は古く、16世紀頃までさかのぼることになります。
イギリス王室の貴族(飼い主)達の足元を温め、ノミが付かないよう自らの体に引き付けていたと言われており、この頃から飼い主に尽くす犬としてイギリス王室になくてはならない存在になっていました。
イギリス国王チャールズ二世がキャバリアを溺愛しすぎて国務に支障をきたすまでになったといわれています。
その後、世界初のドッグショーが開かれ、ブリーダーたちは当時、流行だった短吻種を重視してしまったため、鼻がぺちゃっとつぶれた特徴的な顔のパグ等との繁殖に力を入れてしまったのです。
その時の犬がキング・チャールズ・スパニエルで、昔からイギリス王室に愛され続けていたキャバリアの愛らしい容姿とはかけ離れたものでした。
ところが、1900年代初め、チャールズ二世の絵画にうつるキャバリアが当時のキャバリアとだいぶ違い、がっかりしたあるアメリカ人があのチャールズ二世が愛したキャバリアを復活させたいと動物愛好家に救いを求めます。
1946年、努力の甲斐もあり元祖キャバリアをキャバリア・キングチャールズ・スパニエルという犬種として公式に登録することができました。
キャバリアってどんな性格?
キャバリアの性格ですが、愛嬌があり、他の犬との社交性もバツグン。
攻撃的ではなく、小さい子供とも根気強く接することができる犬種です。
無駄吠えや噛み癖も無く人懐っこいため、アパートやマンション、集合住宅でも飼いやすく、初めて犬を飼う際に選ばれることも多い犬でもあります。
飼い主に従順で賢く、人の近くにいることが好きなため、一緒に生活を共にしているという感覚が強く、一度キャバリアを飼ってしまうと、キャバリアの魅力にとりつかれる飼い主も多いといわれています。
しつける時に必要なこととは?
キャバリアは賢く素直な性格なので、しつける時は叱ったり、厳しく言い聞かせるのではなく、笑顔でほめてあげましょう。
ほめてあげることで、いい事を覚え、飼い主が喜ぶことを常に考えて行動するようになります。
また、さびしがり屋な一面も持っているため、子犬の頃はもちろんですが、大きくなってもあまり一匹で放っておかないで、忙しくても最低1日30分程度は外に出て一緒に遊んであげてください。
キャバリアにとって、飼い主とのスキンシップは大変重要なことなのです。
また、とても食いしん坊でもあるので、散歩の際、道端に落ちているものを興味本位で口にしたりすることが多いので、拾い食いをしないよう、言い聞かせるようにしてください。
同時に、家庭内でのしつけの際に、トリートをあげるのであればその後の食事を少し減らすなどして、体重が増えすぎないように管理することも大切なしつけの一環となります。
キャバリアは抜け毛が多い?
キャバリアの毛はダブルコートで長く、日々の抜け毛に加え、毛の生え変わりの季節になると大量の毛がぬけます。
小さいお子様がいる家庭では特に、毎日の抜け毛掃除や、週に2~3回のブラッシングを欠かさないというのが求められます。
もし抜け毛を少しでも軽減させたいのであれば、服を着せたり、月に1~2回程度はシャンプーをしてあげましょう。
被毛の色
キャバリアの毛色はブラックタン・ルビー・トライカラー・ブレンハイムの計4種類になります。
ブラックタンは全体的にきれいな艶のあるブラックの毛に覆われていますが、タンカラー(茶色)が両目の上、口周り、耳裏、胸、脚、そしてしっぽの裏側にあるのが特徴です。
ルビーは、全身が明るい茶色になっています。
トライカラーはブラック・ホワイト・明るい茶色のミックスで、ブラックとホワイト部分はしっかりと境目があり、明るい茶色のマーキングがところどころに見受けられます。
ブレンハイムは全体がホワイトと明るい茶色に覆われているのが特徴で、ブレンハイムという名前は、キングチャールズ・スパニエルの一番の支持者であったマルボロ公爵の領地名からつけられたもので、マルボロ公爵はこの毛色を大変好んでいたとされています。
キャバリアの飼育時のケア
キャバリアを飼うにあたって気を付けたい部分、ケアすべきことを順に見ていきたいと思います。
被毛のケア
キャバリアは抜け毛が多いので、ブラッシングやシャンプーはしっかりと行う必要があります。
毛並みもカールがかっているため、毛玉ができやすい箇所もあるので、定期的に解きほぐしてあげることが必要となってきます。
耳のケア
耳は長く垂れていて、全体がたくさんの毛で覆われているため耳は隠れています。
そのため、耳の中は通気性が悪くなって蒸れることが多く、細菌が繁殖しやすい環境になっています。
細菌の繁殖を防ぐためにも毎週一回は耳の中を掃除してあげてください。
目のケア
大きく丸々っとしている目は涙やけになることもしばしば。
放っておくと、目の下辺りが茶色く変色したり、かゆみを伴ったりすることがあります。
定期的に軽くぬらしたコットンや、ティッシュで目の周りをきれいに拭いてあげると、が大切になってきます。
身体の大きさ
キャバリアの体高はオス、メス共に31~33cm、体重はオス、メス共に5~8kgと小型犬になります。
そんなに重たくないので、ひざの上に乗せたり、抱っこもしやすく、飼育しやすいサイズになります。
また、このサイズの小型犬というのは子どもと遊ぶ上での相性も抜群で、お互い怪我のリスクも薄くなります。
キャバリアの平均寿命
平均寿命は9~14歳と小型犬としては平均的です。
ですが、小型犬の中でもキャバリアの心臓病発症率は高く、1歳の段階ですでに33%の確立で発症してしまうことがわかっています。
ペットショップ、ブリーダーのどちらから購入するにしろ、事前にこういったことを頭に入れたおかなければいけません。
子犬の値段
血統や毛色の種類、性別などでも変動しますが、だいたい相場は20万円台です。
ちなみにキャバリアのブリーダーサイト Cavalier.breeders.jpを参考にすると、最安値はオスのブレンハイムで12万円。
最高値は、メスのブレンハイムで23万8千円となっています。(2018年2月現在)
まとめ
繁殖ごとに姿をかえてきたという複雑な歴史を持つ騎士、キャバリア。
それとは反対に、人懐っこく愛らしい性格で安定した人気があります。
初めて犬を飼ってみたいけど、どんな犬種にしたらいいのか全くわからない、生活のパートナーを探している、子供にも安心して遊ばせられる犬が欲しいとお考えならば、キャバリアという犬は強くおすすめです。
被毛や目のケアなど、飼育時に気を付けたい部分はありますが、そこさえクリアできれば、問題なく飼育、しつけすることができる犬でもあります。