豆柴は基本的にブリーダーから購入することになるのですが、購入後のトラブルが後を絶えません。
他の犬種ならば、ブリーダーの質さえ伴っていれば、トラブルが発生するようなことはないのですが、豆柴に関しては少々、特殊な部分があります。
そもそも、豆柴というのは正式な犬種として認められているわけではなく、ただ単に身体が小さい柴犬に過ぎません。
公式な犬種でない以上、『正統な豆柴』と判断する要素が、身体の大きさだけ。
この曖昧な部分がトラブルの元となっているのです。
豆柴購入後のトラブル
代表的なトラブルを例に挙げて解説していきます。
最も多いトラブル例
豆柴の仔犬をブリーダーから購入します。
当然、身体は小さいのですが、この段階では元の犬種である柴犬も同じ様に小さく、どっちなのかの判断が難しいというのが現状です。
豆柴と思っていた子が1歳になる頃には柴犬のような大きさになってしまった
飼い主としてはここでブリーダーにクレームを入れたくもなりますが、正式な犬種ではない以上、よほどのことがない限り、どうすることも出来ません。
本来、ブリーダーというのは豆柴を繁殖させる際、身体の小さい子を親に選ぶのですが、親が小さいからと言って、その子が小さいままでいる保障はどこにもありません。
豆柴を購入しようと検討しているのでしたら、このあたりも頭に入れておいてください。
そして、万が一、トラブルが発生した場合、飼い主としてどうすることもできないという事も併せて覚えておいた方が良いかもしれません。
※この曖昧さというのがジャパンケネルクラブで公認されていない要因の一つでもあります。
ティーカップ、タイニープードルも同じ理由で、公認されていません。
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悪質ブリーダーの実態
今や、豆柴専門のブリーダーというのは多数、存在します。
ブリーダーの質の良し悪しも様々ですが、やはりというべきか悪質なブリーダーも少なからずいます。
彼らは身体が小さい柴犬の繁殖を目指すのですが、身体が大きくなってしまっては豆柴ブリーダーとして商売になりません。
中には生まれた段階で大きくなってしまった個体もいるわけですが、悪質なブリーダーの場合、意図的に身体を大きくしないようにします。
具体的に何をするのか?
餌をあげません。
最も身体が大きくなる時期に必要最低限の餌しかあげないことで、人為的に身体的成長を止め、小さい身体のまま新しい飼い主に引き渡します。
新しい飼い主はブリーダーが餌をあげずに身体の成長を妨げていたこと等、知る由もありません。
自宅に迎え入れると、標準量のご飯を与えます。
当然、身体は大きくなりますよね。
前述のとおり、ここでクレームを入れたくても、公式に認められた犬種でない以上、ブリーダーが非を認めない限り、どうすることも出来ないというのが現状です。
ただの柴犬であっても、これまでと同じように愛せるのなら何もありませんが、中にはそうでない人も一定数います。
手放す飼い主
信じがたいかもしれませんが、豆柴じゃないからといって、飼うのを放棄してしまう飼い主が少なからずいます。
保健所に集まる犬や猫の中には、こういった理由によって飼い主によって連れ込まれた子もいるという悲しい現実があります。
そもそもこの人たちは何を思って犬を飼うのでしょうか。
明らかに豆柴ではないと判明した段階で、一定の時間を共に過ごしたわけです。
この段階で手放そうという気概が理解できませんし、そういった人は「可愛いくて小さい豆柴」を飼うというのが目的なだけなのでしょう。
身体が大きくなったから不要になったというのは、犬を飼う本質を大きく逸脱しているのではないかと考えています。
あなたがこれから豆柴を飼おうと考えているのでしたら、一般的な柴犬ぐらいの大きさになる可能性もあるというのを知っておいてください。
「大きくなっても構わないよ」と、即答できないのならば、豆柴の購入は見送った方がいいかもしれませんね。