ボクサー犬とは名前負けすることのない引き締まった身体と強面な顔立ちの犬種です。
第一印象はどうしても怖そうな犬に見られがちなボクサー犬ですが、その性格は大変穏やかで忠誠心が強く、無邪気な一面もあるため海外では家庭犬として人気があります。
穏やかで人懐っこいところだけでなく、いざという時の忠誠心は、どんな者にも臆することなく勇敢に立ち向かい、軍用犬や警察犬としても昔から活躍しています。
今回はボクサー犬の性格や特徴などについてご紹介していきたいと思います。
ボクサー犬ってどんな犬?
ボクサー犬はドイツ原産の犬で、滑らかな短毛を持ち、コンパクトでスクエアな体躯構成で強健な骨格をもつ犬です。
元々は狩猟の際に追いつめられた獲物を捕えてしっかりと確保し、猟師が来るのを待つという仕事をしていました。
より強い犬にするために、闘犬や闘牛目的でもつくりだされ、かなり獰猛な性質でしたが、現在では優しく愛情深い性格へ改良され、家庭犬として広く愛されています。
監視能力の高さから警察犬や軍用犬としても活躍しています。
ボクサー犬はドイツタイプとアメリカタイプに分かれており、ドイツタイプは頭が大きく、アメリカタイプよりも身体つきはがっしりして筋肉質です。
一方のアメリカタイプは全体的にスマートでスタイリッシュ、性質も穏やかで飼育しやすさという面ではこちらのタイプが上です。
ちなみに日本にいるボクサー犬の多くはアメリカタイプで、ドイツタイプは身体の大きさに加えて飼いにくく、しつけも難しくなるため、ほとんど見ることはありません。
なお、ボクサー犬は本来、断耳、断尾が一般的でしたが、現在はヨーロッパ諸国で禁止されています。
ボクサー犬の歴史
ボクサーの祖先は猟犬で、それも獲物を捕ったり回収したりするのではなく、猟師がたどり着くまで獲物にかみついて離さない、ブレンバイザーとよばれていた犬たちです。
猟犬として働いていたマスティフタイプの犬種とマスティフ、ブルドッグ、テリアなどの交配によって誕生しました。
その後、より速さがあり小型タイプのブレンバイザーが作出され、雑種化が進んでいましたが、ひとつの犬種としてまとめようという動きがドイツで起こり、1902年にはドイツのボクサークラブでスタンダードが公開されました。
1903年にはアメリカに紹介され、1915年にはドッグショーでチャンピオンに輝いた後、1936年にAKCでも公認されました。
日本に初めて入ったのは昭和の始め頃で、その後、警察犬としても採用されることになります。
ボクサー犬ってどんな性格?
ボクサー犬は自信に満ちており、穏やかで安定した気質を持っています。
小型犬で見られがちな神経質な部分はなく、常に堂々とした佇まいをしています。
見知らぬ者に対しては疑い深いところはありますが、家族に対しては大変忠実で愛情深く、遊ぶときには好奇心旺盛に楽しく遊び、親しみやすい性格をしています。
この忠実心や人懐っこい性格は、老犬になっても変わることはなく、生涯において信頼がおける犬種と言えます。
欲求が少なく、きれい好き。警護犬、伴侶犬及び作業犬であると同時に、家族の一員として愛され続けています。
しつけは難しい?
飼い主には従順な性格なのでしつけはしやすい犬種です。
従順な性格は作業犬として活躍していた頃の名残が色濃く残っており、よほどの事がなければしつけに失敗するようなことはありません。
ですが、長時間の放置は、忠誠心の強いボクサーにとってとても傷ついたり不安な気持ちにさせてしまうことがあります。
それによって問題行動を起こすこともあるので、しつけの際には十分触れ合う時間をもちながら関係を築いてくことが大切です。
家庭でトレーニングする場合には体罰や厳しい叱責は逆効果になるので、厳しいトレーニングよりもやさしい言葉をかけながら愛情を込めたトレーニングの方が効果的です。
身体の大きさ
体高:オス 57~63㎝ メス 53~59㎝
体重:オス25~32kg
ボクサー犬は平均体高が60㎝前後、平均体重が25~32kgとややその差は幅広くなります。
サイズで見ると中型に属しますが中型犬の中では大きめで、大型犬の中では小さめといったところです。
筋肉質でよく引き締まっていながらも、すらりと伸びた四肢が力強く高潔な印象を与えます。
寿命
平均寿命は10年~12年
ボクサー犬は拡張型心筋症の好発犬種として知られており、ボクサー心筋症と呼ばれることもあります。
メスよりもオスがかかりやすく、年齢は3~7歳で発症することが多いと言われています。
成犬になったら毎年の定期健診が最も重要です。
他の短吻犬と同じように、気管支があまりよくありません。
加えて暑さにも弱いので真夏はエアコンで温度管理をするようにします。
子犬の価格
子犬の価格はおおよそ10万~15万円ほどとそこまで高くはありませんが、基本的にブリーダーから購入することになります。
血統などによっては20万円を超える場合もあります。
まとめ
忠誠心が強く、穏やかでいて、かっこいい風貌、いざというときに発揮される力強さを兼ねそろえている犬種こそが、ボクサー犬です。
ボクサーに対する不誠実な行動や振る舞いは、信頼を失うことになりかねませんので注意しないといけませんが、良い関係を築けば、生涯頼もしく愛らしい存在としてなくてはならないパートナー、家族の一員になってくれるはずです。