世界各国の環境や飼育事情によって相性の良い犬種というのは存在するのですが、ボーダーコリーは様々な国で人気上位になるほどメジャーな犬でもあります。
活発で愛くるしいその姿に魅了される人も多いのですが、今回はそんなボーダーコリーの人気の理由、しつけ方法、さらには子犬の価格などについて紹介していきたいと思います。
ボーダーコリーは何位?
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目次
ボーダーコリーのしつけは難しい?
ボーダーコリーは、しつけによって扱いやすさが大きく変わる犬種です。
非常に賢いのでしっかりとしつけをすれば飼い主の言うことをよく聞くお利口な子になりますが、中途半端なしつけをしたり甘やかしすぎると、ずる賢く我儘な性格になってしまいます。
運動能力が高い上に活発な分、飼い主の言うことを聞かなくなれば手が付けられない状態になってしまうことも少なくありません。
しつけのスキルが十分でない素人が飼育するには、相当な覚悟が必要な犬種と言えますね。
ボーダーコリーをしつけるコツは、まず一番初めに主従関係をしっかりと教え込むことです。
特に子犬の場合は可愛がりたい気持ちもわかりますが、食事や散歩なども飼い主が先で犬は後だというのを徹底しましょう。
叱る時はわかりやすいように低い声を使い、どんなに可哀そうだと思っても一貫して厳しい態度を貫くことが重要になります。
その分、上手くできた時には大げさすぎるくらい思い切り褒めてあげましょう。
極端に叱るばかり、または褒めるばかりでは、どちらの場合もしつけはうまくいきません。
飴と鞭をうまく使いこなすことが大切です。
ボーダーコリーは世界中で人気の犬種
ボーダーコリーはイギリス原産の犬種ですが、イギリスのみならず世界中で愛されています。
その理由は牧羊犬としての優秀さに始まり、賢さ、運動能力の高さなど様々な魅力にあります。
ここではそれぞれの魅力について、一つずつ見ていきましょう。
人気の理由1 賢い
ボーダーコリーは、全犬種の中でもトップクラスの賢さを持っています。
きちんとした主従関係が築ければ、どんなしつけでも難なく覚え競技会などでも大活躍してくれるほど。
通常の犬の場合、160個ほどの単語を理解できるのに対し、ボーダーコリーはなんと250以上の言葉を覚えることができるそうです。
何気なくこぼした悪口などを理解してしまうこともあるので、ボーダーコリーの前では発言に注意しなければいけません。
状況判断能力にも優れており、ただ言われたことをこなすだけではなく、自分で判断して最適な行動をすることができるのです。
理由2 抜群の運動能力
ボーダーコリーの特徴と言えば、何と言っても運動能力の高さ。
スピード、スタミナ、ジャンプ力等、どれをとってもトップクラスで、さらに判断能力の高さや意欲的な姿勢が加わることで、複雑な競技(アジリティ)をクリアすることができます。
そのため競技会などでは常にボーダーコリーが上位にランクインするほどで、ドッグスポーツを楽しむならボーダーコリーを飼えば間違いない、といっても過言ではありません。
理由3 飼い主に従順
きちんとした主従関係さえ築けていれば、ボーダーコリーはとても飼い主に従順で真面目です。
責任感が強いので、命令されたことは確実にこなそうとします。
また人間が大好きであり、家にいる間はずっと飼い主のそばを離れないなど甘えたがる一面も。
日本国内の飼育頭数
世界中でとても人気のあるボーダーコリーですが、日本での飼育頭数は全国で2500頭ほど。
国内で人気ナンバーワンのトイプードルが7万~8万頭近く飼育されていることを考えると、かなり少なく、全体のランキングでも20位前後になっています。
上記で紹介したように、沢山の魅力を持つボーダーコリーですが、日本での人気がイマイチなのにはいくつか理由があります。
日本での飼育頭数が増えない理由
ボーダーコリーは魅力が多く、世界的に人気ですが、日本国内の飼育頭数はそこまで多いとは言えません。
その理由はいくつかあります。
身体が大きい
日本では居住スペース、つまり各家庭の家が狭いため、身体の大きなボーダーコリーを飼育するのに適しているとは言えません。
身体の大きさは、体高が53cm、体重も20kg近くある上に、活発に動き回るため、少なくとも広い庭がある一戸建てでないと飼育は難しくなっています。
当然、都市部では難しく、実際にボーダーコリーを飼っている家庭の多くは郊外に集中しています。
運動量が多い
ボーダーコリーは運動量がとにかく多いというのも理由の一つと言えます。
これは狭い家では飼いづらいというのは上記と共通している部分ですが、ボーダーコリーは狩猟犬であるため、日々の散歩に十分な時間を費やしてあげる必要があります。
毎日の散歩はもちろん、朝夕の2回、それぞれ1時間は必要でしょう。
決して簡単に飼える犬種ではないですし、じっくりと愛犬に時間をかけるという考えが薄い日本では、どうしても人気犬種には劣ってしまうというのが現状です。
手軽に飼える愛玩犬に人気が集まる日本では、暫くの間、人気は現状維持といったところでしょうか。
子犬の価格
子犬の価格は平均で10万~20万円。
オスよりもメスの方が人気で、価格が高くなる傾向にあります。
飼育面で手間をかける必要があり、お店やブリーダーとしても早く売りたい事情があるため、月齢が経過するごとに値下がりの幅は大きくなっています。
生後2~3ヶ月で20万円で販売されている子が3ヶ月後にはその半額の10万円になっていることも少なくありません。
これだけで見ると、「安いしお得」と考えるかもしれませんが、この手の運動量を必要とする犬種は、例えブリーダーの所であってもストレスを溜めこんでいて、後々の飼育に苦労することがあります。
さすがにしつけはしっかりしているかもしれませんが、月齢がある程度、経過している個体の購入は、しつけの知識がない家庭では避けておくのが無難と言えます。
まとめ
ボーダーコリーは「賢い」「飼い主に従順」という情報のみが先行してしまい、飼い始めてから「こんなはずでは…」と後悔する人が多いそうです。
世界各国でも、飼いきれずに保健所に持ち込まれる件数が多い犬種なんだとか。
ボーダーコリーがその能力を十分に発揮できるのは、飼い主のきちんとしたしつけがあってこそです。
飼育する前にきちんとそのことを頭に入れておき、しつけのついての知識や飼育に最適な環境をしっかりと整えてから迎え入れましょう。