猫の特徴も種類によって本当に様々ですが、可能ならば飼いやすい猫が良いと考えるのは当然ですよね。
困らせる子もそれはそれで可愛いのですが、初めて猫を飼う初心者さん、一人暮らし、マンション住まいの方などは飼いやすい子の方が良いに決まっています。
また、近年は猫の人気は高まり、ペットショップでも様々な種類の子猫を目にするようになりましたが、
選択肢が増えた今だからこそ、飼いやすい猫とは、どういった猫なのか、そして、その代表種について紹介していきたいと思います。
初めて猫を飼う方、一人暮らしの方は特に参考にしてください。
目次
そもそも飼いやすい猫とはどんな猫?
まずはじめに、飼いやすい猫とはどういった猫なのかをはっきりさせておく必要がありますが、一般的に以下のような子が飼いやすい猫であるとされています。
飼いやすい猫の条件
・性格が大人しい
・自立している
・鳴き声が穏やか
・身体が丈夫
・抜け毛が少ない
・身体が小さめ
それではポイントごとに見ていきましょう。
一人暮らしで猫を飼うことを検討しているのでしたら、下記の記事も参考になります。
一人暮らしで飼育する場合、”何をすべきで何を注意しなければならないか”について細かく書かれています。
関連記事:一人暮らしで猫を飼う!オススメの猫種、飼育のポイントと負担をチェック!
飼いやすい猫その1:性格がおとなしい
飼育しやすい猫といえば、性格がおとなしいというのは最重要ポイントです。
「性格がおとなしい=落ち着いている」ということでもあり、しつけがしやすく、日々の生活で飼い主を困らせる機会が極端に少なくなります。
関連記事:大人しい猫種5選~購入前の見分け方、チェックしたいポイントは4つ
また、動きもゆっくりなので、動物病院に連れて行ったり、ブラッシング等のお手入れもしやくなるので、初めて猫を飼う初心者の方にとっては最も重視すべきポイントと言えます。
逆に活発な子の場合は運動量の確保が必須ですし、一緒に遊んであげる頻度が多くなったり、ある程度の飼育スペースが必要になります。
一人暮らしの人や一日中、手をかけてあげられない人にとっては飼いづらさを感じることがあります。
他にも、神経質な子になると、気性が荒くストレスを溜めやすい傾向があり、時に飼い主に攻撃的になったり、慣れるまでに時間がかかることがあります。
ちなみに、猫の性格というのは、
-オスかメスか
-短毛種か長毛種か
-小型か大型か
-品種
-育った環境
これらによって違いが出てきます。
一般的にオスよりもメス、短毛種より長毛種、小型より大型の方が大人しい子が多いです。
個体差があるので一概には言えませんが、どんな猫を飼おうか検討しているのならば、一つの目安にしていていただいてもいいもしれません。
性格が大人しい猫種の代表格 スコティッシュフォールド
折れた耳と丸い顔で人気を博しているスコティッシュフォールドはとにかく性格が大人しく落ち着いており、飼いやすい猫の上位に入ります。
運動が苦手ということもあり、走り回ったりすることも少ないので、飼育していて、飼い主を困らせるようなことが少ない猫としても知られています。
ちなみに、このスコティッシュフォールドは長年、人気の猫ランキング上位に入っており、猫を扱うペットショップならば、必ずといっていいほど目にすることができます。
性格の大人しさと飼いやすさが大きくリンクしているのがうかがえます。
飼いやすい猫その2:自立している
自立している猫というのは飼い主と一定の距離を置くことがあります。
いわゆるツンデレ気質ですね。
一見、飼いやすさとは関係ないと思われがちですが、自立している子というのは、一人で遊んでくれたり、飼い主への依存傾向がそこまで強くありません。
飼い主としては可愛い愛猫と遊んであげたいところでしょうが、常に構ってあげられるわけではありません。
時に飼い主自身のことを優先しなければなりませんが、自立している子ですと、そんな時でもイタズラ等もせず、大人しく待っていてくれます。
このように、一定の距離を保ってくれる子は、飼い主がお世話に掛ける時間が自然と少なくなります。
また、自立している猫というのは留守番をしっかりしてくれるのも強みで、一人暮らし、マンション住まいの方にとっても重視すべきポイントといえます。
自立している猫種の代表格 ペルシャ
被毛はふわふわで柔らかく、大きな丸い目に低い鼻が特徴のペルシャ猫。
その見た目から猫の王様ともいわれており、とにかく自立しています。
気分によっては飼い主にすり寄ってくることもあるのですが、基本的に一人が大好き。
よく眠り、一人で遊び、日中でさえも動きが少ないです。
他の品種と比べ、お世話にかける時間が少ないのもペルシャ猫ならでは。
ただし、距離感を間違えるとストレスを抱えることがあるので、猫といつも一緒にいたい、遊びたいという方とは相性が悪いです。
加えて、他の猫とも距離を置きたがる傾向があるので、多頭飼いにも向きません。
飼いやすい猫その3:鳴き声が穏やか
猫は鳴き声を使って自分が今どんな気持ちなのかを飼い主に伝えようとします。
甘えたい時やごはんが欲しい等の要求がある時、怖い時、発情期等に鳴くのですが、やはり鳴き声が穏やかな方が飼いやすいとされています。
鳴き声がうるさいと、飼い主にストレスがかかったり、時に近所迷惑になることもあります。
こちらに関しても一人暮らし、マンション住まいの方は重視したいところです。
※鳴き声が穏やかであるかどうかは品種によって、ある程度の判断はできますが、声のボリューム、鳴き声をあげる頻度は個体差があります。
鳴き声が穏やかな猫種の代表格 ロシアンブルー
顔は小さく、頭は三角形。シルバーの被毛とグリーンの瞳が魅力的なロシアンブルー。
ボイスレスキャットという別名があるくらい、鳴き声が穏やかで静かなことで有名です。
時に犬のような猫とも呼ばれ、以前から多くのご家庭で飼われています。
ちなみに、このロシアンブルーは鳴き声が静かなだけでなく、抜け毛も少ないため、飼いやすさという意味でも安定した人気があります。
一人暮らしの方にもおすすめの猫としても知られています。
ただし、性格的にプライドが高く、神経質なところがあるので、飼育して間もない頃は飼い主に対して警戒心を露わにしたり、新たな環境に戸惑いを見せることがあります。
根気強く、時間をかけて対応する必要があります。
関連記事:ロシアンブルーは飼いやすい?魅力は大人しい性格と美しい被毛にあります
飼いやすい猫その4:身体が丈夫
身体が丈夫でない場合、どのような苦労があるのでしょうか?
病気のタイプによって苦労する点が変わってくるため、いくつかご紹介していきます。
身体が弱く免疫力がない子というのは、風邪や感染症にかかりやすくなり、感染症の中には重症化して命を落とすこともあります。
それならば、飼い主が日頃から身体のケアをすればいいのでは?と思いがちですが、
身体が丈夫でない子の場合、飼い主がどれだけ気を配っていても、すぐに体調を崩してしまいますし、遺伝性疾患のリスクが高い猫種というのも存在します。
これは生まれ持った疾患なので、飼い主がどうこう出来るものでもありません。(進行を遅らせることはできます)
また、この遺伝的疾患の中には、手術が必要なもの、飼い主が定期的に薬を与えるもの等、様々な負担がかかるものがあります。
場合によっては動物病院に通院、入院するものもあり、金銭的にも負担が大きくなります。
それに加え、医療の発達や食生活の改善等により、猫も人と同じように長寿化が進んでいるため、年齢が若いうちに病気になってしまうと、介護など、面倒を見る期間が必然と長くなります。
身体が丈夫な猫種の代表格 雑種
身体の丈夫さを重視するとなると圧倒的に雑種になります。
少しでも長生きしてくれた方が飼い主にとっても猫にとっても幸せですよね。
猫の品種別の平均寿命では、雑種が1位といわれており、純血種と比べて寿命が長い傾向にあります。
雑種の平均寿命はだいたい15歳前後とされていますが、中には20年以上、生きた子もいるほど。
性質に個体差は大きいですが、身体の丈夫さという部分では、ほぼ全ての個体に当てはまります。
飼い始めてから病気で病院にお世話になったことがないという話もしばしば。
純血種と比べて、いかに丈夫かがわかりますね。
また、純血種は品種によって遺伝的疾患を持っていることがあるのに対し、雑種の場合は、異なる遺伝子同士を交配するので、遺伝的疾患によるリスクが少ないといわれています。
上記でも書いていますが、遺伝的疾患があると、手術が必要になったり定期的に投薬が必要になったり、飼い主の負担が大きくなります。
このようなリスクを回避するとなると、完全に雑種一択になります。
関連記事:とにかく飼いやすい雑種猫。性格の特徴、被毛や柄のパターンをご紹介
飼いやすい猫その5:抜け毛が少ない
飼いやすさという面では、抜け毛は少ない方が良いです。
一般的に猫の毛の抜けやすさは、毛の長さと毛質によって変わってきます。
毛の長さは、主に短毛種か長毛種かに分かれていて、短毛種の方が抜け毛が少ないとされています。
毛質は、シングルコートとダブルコートの2種類あり、毛が一層で覆われているシングルコートの方が抜け毛が少なくなります。
抜け毛が多いと、猫が毛づくろいをした時に毛を飲み込んで嘔吐するため、定期的なブラッシングが必須になり、日頃のお手入れの手間がかかります。
また、ダブルコートの場合は、換毛期と言われる春と秋にごっそり毛が抜けるため、部屋の掃除が大変になります。
一人暮らしで家を空けることが多い方は抜け毛の少なさも考慮した方がいいかもしれません。
関連記事:猫アレルギーの原因と飼い主ができる対策
抜け毛が少ない猫種の代表格 アビシニアン
短毛種で知られるアビシニアンはその見た目通り、抜け毛が少ないです。
抜け毛が多いと、カーペットに毛玉が絡まって取りづらかったり、部屋の至る所に毛がまったりと何かと大変です。
普通の掃除機では毛が取りきれず、某掃除機でないと掃除できないことも。
また、猫が毛づくろいをした際に毛を飲み込んで嘔吐することがあり、嘔吐する回数が多いほど、その後始末も回数が増えて負担になってしまいます。
その点、アビシニアンは抜け毛が少なく、日頃の普段のお手入れは1日1回程度のブラッシングで済むので、手間が少ないです。
手間が少ない分、一緒に遊んであげる時間を増やすことができますね。
ただし、ダブルコートのため、換毛期である春と秋に抜け毛が多くなる傾向があります。
この時期だけは1日に行うブラッシングの回数を増やして、毛づくろいで毛を飲み込む負担を軽くしてあげましょう。
このように、アビシニアンは抜け毛が少ない猫ですが、性質面で難しい部分があり、下記の飼いにくい猫ランキングに入っています。
関連記事:飼いにくい猫ランキングTOP5!初心者、一人暮らしは飼いにくい?
実際の飼いやすさと抜け毛が少なさはそこまで関係していないとも言えますね。
飼いやすい猫その6:身体が小さい
身体の大きさも飼いやすさと関係します。
猫の場合、3kg前後が小型種、5kgを超えると中型種、8kgを超えると大型種に分類されます。
身体が小さい場合、鳴き声が小さかったり、猫を運ぶ際の負担が減ります。
動き回ったり、高い所から飛び降りた際の音も小さく、マンションでも近所迷惑になりにくいです。
他にも、食べる餌の量が少ない、ケージやキャットタワーなどの身の回りの物が小型サイズで安価、病院の医療費、ペット保険の月々の支払額が大型種と比べて安い等、経済的な負担も小さくなります。
【注意】身体が小さい=飼いやすい猫とは言い切れません
身体が小さいことで飼い主の身体的、経済的負担が軽減されるのは事実ですが、一つだけ覚えておいてほしいことがあります。
それは、身体が小さな子になるほど、活発で気性が荒い傾向が強いということ。
前半で大人しい性格の子が飼いやすいと触れましたが、身体が小さい品種という理由だけで選んでしまうと、逆に精神的な負担が大きくなることがあります。
猫に関しては小型種、大型種のサイズ差はそこまでないので、5kgほどの中型種であれば、小さい子を探すよりも、大人しい猫種で判断した方がいいかもしれません。
関連記事:大型の猫の魅力と代表種を紹介します~飼育は本当に難しい?
身体が小さい猫種の代表格 マンチカン
身体の小ささで決めるならマンチカンになります。
成長しても体重が2~4kgと全猫種の中でも際立って小さく、お子さんや非力な女性でも重さに苦労するようなことはありません。
ただし、元の体、骨格が小さいが故に標準体重を超えて肥満になった際は、身体の負担はかなり大きくなるので、小さい猫だからこそ体重管理が重要になってきます。
ちなみに、このマンチカンは身体の小ささに価値を見出しているところがあり、子猫の価格が高額になるほど、最終的に小さな子になる傾向があります。
どうしても小さい子をと望むのならば、親猫を見せてくれるブリーダーから購入するのが得策です。
マンション住まいの方が選ぶべき猫とは?
これまで飼いやすい猫の条件について見てきましたが、マンション住まいの方が選ぶべきなのは「性格が大人しい」「自立している」、「鳴き声が穏やか」の三つです。
1.性格が大人しい
2.自立している
3.鳴き声が穏やか
性格が大人しい、鳴き声が穏やかというのはもはや説明不要ですが、「自立しているかどうか」も実は同じぐらい重要な要素になります。
壁の向こうや床の下に他人が住んでいるマンションではペットの騒音トラブルがどうしても起こってしまいます。
その多くは飼い主が留守の時に発生する音や鳴き声によるものなのですが、これはお留守番によるストレスが元で、イタズラをしたり、部屋中を動き回ることで発生する音なんですね。
猫というのは本来、大人しく静かな動物ですが、ストレスを抱え込むと一気に表面化しますし、一人暮らしだと留守中に問題行動を止めさせる術はありません。
しつけや工夫である程度、抑えることは出来ますが、可能ならば最初からきっちりと留守番をしてくれる子を選ぶ方がいい得策です。
猫の種類でいうと、スコティッシュフォールドを筆頭に、ロシアンブルー、飼育の知識があるならば、アメリカンショートヘアーもおすすめです。
まとめ
飼いやすい猫の条件をおさらいしておきましょう。
飼いやすい猫の条件
・性格が大人しい
・自立している
・鳴き声が穏やか
・身体が丈夫
・抜け毛が少ない
・身体が小さめ
この中でも最も重視すべきなのが性格が大人しい、身体が丈夫であるということですが、それ以外は飼い主の住環境で変わってきます。
例えば、
・賃貸マンションで音に気を付けるならば鳴き声が穏やかな子
・留守にする時間が長いのなら自立している子
・飼い主自身が面倒くさがりで掃除やブラッシングが苦手なら抜け毛が少ない子
それぞれで環境は異なりますので、あなた自身が何を優先するのか?で決めてもいいかもしれませんね。
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ちなみに下記は日本で飼われている人気の猫種ランキングになります。
人気のある猫というのは、飼いやすさでも上位に入るような子ばかり。
猫が持つ魅力も重要なのですが、沢山の人に飼われている猫というのは、それだけの理由があるようです。