小豆柴とは規定のサイズに達していない柴犬を小さくした豆柴をさらに小型化した犬です。
この小豆柴も豆柴同様、正式な犬種ではありませんが、豆柴が知られるようになって少し遅れるように人気が出始め、この数年で飼育するオーナーが増えてきました。
今回は数ある犬の中でも極小犬の小豆柴を紹介していきたいと思います。
※小豆柴という名前は豆よりさらに小さい小豆というのが由来でもあります。
目次
小豆柴の特徴
小豆柴という犬種は正式に認められていないため、犬種としては柴犬となります。柴犬の中でも小さなものを豆柴、それより更に小さなものを小豆柴と呼びます。
小さな犬種というと、ポメラニアンなどの小型犬との交配や近親交配によって作出されたという説もありますが、自然の環境でも柴犬に小さな個体が生まれることはあったようです。
そんな小さい柴犬同士の交配を重ねて小豆柴という犬が誕生しました。
小豆柴にはスタンダードというものが存在しないため、大きさ、外見、性格などは各ブリーダーの考えによって変わります。
ただ、多くのブリーダーは柴犬の一員であることを重要視しており、小さいながらも柴犬の特徴をそのまま受け継ぐよう交配されているパターンが多いようです。
小豆柴ってどんな性格?
上に書いた通り、ブリーダーの多くは柴犬の特徴をそのまま引き継がせようとしているため、性格も柴犬と同様、以下のような特徴を持っていると考えて大丈夫でしょう。
・縄張り意識が強い
・真面目で頑固
・他人には素っ気ない
俊敏で頭がよく、飼い主の言うことをよく聞く反面、他所の人には簡単には心を開かないなど、柴犬らしい性格をしています。
ただし、個体によっては多少気が弱かったり、フレンドリーな性格の犬もいるようです。
身体が小さい小豆柴だからといって、性格に違い、特筆すべき点があるということはありません。
小豆柴の被毛の色
小豆柴の被毛の色も、柴犬と同じく赤毛(茶)・胡麻・黒毛が多く、まれに白毛も存在します。
日本犬らしくまっすぐで硬い毛並みの下に、柔らかいアンダーコートが生えています。
日本の四季に順応しており、年に2回の生え変わりで冬毛と夏毛に変わります。
この時期は大量に毛が抜けますので、屋内で買う場合は特に、しっかりとブラッシングをして毛が散らからないようにしてあげることが必要です。
小豆柴の成犬時の大きさ
小豆柴と呼ばれる柴犬の標準的な大きさは、体高25cmくらい、体重は2kg台と言われています。
一般的な柴犬の大きさが体高38~41cm(雌は35~38cm)なので、比べると、ずいぶん小さく感じます。
体高:25cm前後
体重:2kg前後
正式に認められている犬種ではないので、上記はあくまで目安で、この数値を超える子も当然います。
言ってみれば、ブリーダーが「この子は小豆柴です」といったところで、小さいままでいてくれる保証はありません。
つまりは小豆柴を購入したはずなのに、豆柴、もしくは柴犬だったなんてことも十分に考えられており、この辺りは難しい問題でトラブルの元ともされています。
トラブルのリスクを少しでも回避するためにも、購入の際は検討している子の親犬を見せてもらい、身体の大きさを確認するのも良いかもしれません。
ただし、それもあくまで目安であって、成犬になった時の大きさがどうなるかは分かりません。
豆柴との違いは身体の大きさ
豆柴の大きさは34cm以下(雌の場合は32cm以下)と言われており、標準的な柴よりは小さいですが、小豆柴は豆柴よりも更に小さくなりますね。
豆柴も小豆柴も独立した犬種ではなく、種類としてはあくまで小柄な柴犬です。
ですから、両者の違いは大きさだけで、30cm弱くらいを基準に、それより大きければ豆柴、小さければ小豆柴の区分になります。
しつこいようですが、豆柴、小豆柴という触れ込みで買った子犬でも、成犬になると大きく育つ可能性もありますので、その点はよく考慮の上で飼うようにしてください。
関連記事:豆柴の成犬時の大きさ、性格、価格は?購入はブリーダーから!
購入後のトラブル
購入後のトラブルが頻繁に起こるからか、小豆柴や豆柴を扱うブリーダーによっては個体購入時の販売契約の保証事項において、「身体の大きさに関する記述」が新たに設けられつつあります。
元々、保証事項は場合によっては、個体の交換に応じるという内容の記述が書かれているのですが、当然、この中には身体の大きさに関する記述はありません。
※主に遺伝性疾患がある個体の場合に限るようです。
これはトラブルを防ぐためのものですが、言ってみれば「想定以上に大きくなったとしても責任は問わない」という、購入側にとってはいわば縛りでもあります。
購入を検討しているならば、このような事も頭に入れておくと良いかと思います。
小豆柴の子犬の価格
小豆柴は交配、産出が難しいせいか、価格は少々、割高になります。
大きく育たないよう慎重に交配を重ねた個体ならば、30万円くらいから高いものは50万を超えることもあります。
特に人気なのが黒色の小豆柴で、親犬がどちらも小さいと最低でも50万円と非常に高額です。
※記事のトップの画像のような子になります。
このような子が成長しても子犬のような姿のままと考えれば、50万円以上という金額も、もはや仕方ないと思うのも無理はありません。
逆に最も安価な傾向なのは赤茶色のタイプ。
こちらは30万円から購入できることも珍しくありません。
なお、上記よりも明らかに安価で売られている場合は、柴犬ではなく、他の小型犬との交配で生まれてきたり、未熟児で生まれた体の弱い個体だったりする場合もあります。
また、豆柴と比べても産出の歴史が浅いからか、安価な個体の場合、身体が弱いということも考えられます。
値段的には高くなったとしても、信頼できるブリーダーから迎え入れる方が良いのかもしれません。
不安定な犬だからこそ、安く手に入れようという考えは捨て去った方がいいのかもしれません。
小豆柴の寿命
小豆柴の寿命は一般的なサイズの柴犬、豆柴と比べると短命で約10年前後とされています。
犬というのは小さい種ほど寿命が長い傾向があり、小型犬相当の小豆柴もさぞかし寿命が長い犬と思われがちですが、残念ながら平均寿命は決して長くなく、長生きする犬が増えた現代においては、どちらかというと短命の部類に入ります。
その理由はやはり不安定なブリーディングです。
小豆柴は身体の小さな親犬から生まれた子になるのですが、やはり「普通の柴犬」と比べると、どうしても身体が弱い状態で生まれる子の割合が多くなっています。
成長していくにあたって、遺伝性疾患を発症してしまったり、老犬にさしかかってすぐに命を落とすなんてことも珍しくありません。
世に登場して日が浅いため、仕方のない部分もありますが、逆に今後、ブリーディングが安定してくることで寿命が延びてくる可能性もあります。
後10~20年も経てば少なくとも柴犬と同程度にはなるのではないかと個人的には考えています。
まとめ
小さいながらも柴犬としての端正で風格ある佇まい、俊敏な動作、飼い主に忠実で慎重な性質を備えた小豆柴。
柴犬が買いたいけれど小さい犬じゃないと難しいという人や、その小さな姿の可愛らしさに惹かれる人など人気は高いですが、リスクはあります。
・価格が高く、健康面が不透明
もしもの時のリスクと価格が高額であるという部分を踏まえれば、購入するにはいささかハードルの高い犬と言えるかもしれません。
産出する過程の無理な交配に関しては賛否両論ありますが、いつまでも小さい身体と飼い主に従順な性格の持ち主という、非常に魅力的な部分があるのも事実。
機会があれば、ブリーダーの元へ伺ってみてはいかがでしょうか。