アメリカ原産の犬というと日本でも馴染みのあるボストンテリアや、アメリカン・コッカー・スパニエルなどがいますが、そのほかにもあまり聞いたことのない犬種も多数います。
アメリカ原産の犬種の中には、アメリカンアキタと呼ばれる、日本の秋田犬をルーツにもつアメリカン原産の犬種もいるので色々とご紹介していきたいと思います。
目次
アメリカで人気の犬種
AKCによると、2017年アメリカでの犬種別人気ランキング1位はラブラドールレトリバーでした。
ラブラドールレトリバーはイギリス原産の犬にも関わらず、アメリカにおいて最も人気な犬種で、1991年に1位だったアメリカン・コッカー・スパニエルの地位を奪取して以来、27年間連続で首位をキープしています。
なお、人気トップ10は以下のとおり
1位. ラブラドールレトリバー
2位. ジャーマン・シェパード・ドッグ
3位. ゴールデンレトリバー
4位. フレンチブルドッグ
5位. ブルドッグ
6位. ビーグル
7位. プードル
8位. ロットワイラー
9位. ヨークシャテリア
10位.ジャーマン・ショートヘアード・ポインター
アメリカで人気の犬トップ10にも関わらず、アメリカ原産の犬が入っていないと興味深いところではあります。
日本で馴染みのある犬種もいますが、どちらかというとアメリカでは中型犬~大型犬が好まれているようです。
また、大型犬を好む傾向は以前から強いですが、犬の屋外飼育が禁止されている州もあったりと、アメリカは州によって動物保護の法律も大きく異なります。
2017の州別ランキングにおいて特筆すべき点は、フレンチブルドッグがアメリカの14の主要都市(アトランタ、ボストン、シカゴ、LA、マイアミ、NY、SF、シアトル、ワシントンDC他)ランキング5に、ほとんどランクインしている点です。
ここ数年でCMやファッション広告にも起用されているフレンチブルドッグはアメリカで人気の犬種となっているようです。
関連記事:ブサカワ犬の代表格、フレンチブルドッグの飼育、しつけは簡単?性格、身体の大きさ、寿命は?
アメリカンブルドッグ
アメリカンブルドッグとはイギリスの労働階級の人々によって本来のブル・ペイティングをしていた頃の姿をしたブルドッグのこと。
彼らがアメリカに移住した際に新天地、特にアメリカ南部ではイノシシの狩猟を行ったり牛を守る役割を果たし人々を助けました。
イギリスのブルドッグと比べて全く異なる体型をもち、激しい仕事ができるよう呼吸こんなにならないようにマズルは長めになっていて、体高も高めです。
性格は作業犬らしく機敏でエネルギッシュです。
ただ、アメリカ原産の犬ではありますが、知名度という面では本家に大きく劣り、飼育頭数はそこまで多くはありません。
アメリカン・コッカー・スパニエル
鳥猟犬の中で最も小さく、ディズニー映画「わんわん物語」の主人公として一躍有名になったアメリカン・コッカー・スパニエル。
ご覧の通り、絹状の美しい被毛に覆われた、大変有能な鳥猟犬です。
鳥に忍び寄るのが上手でコック猟に最適であることから、コッカーという名前がつけられました。
アメリカに紹介されたのは1870年~1880年で、過去にはAKCで人気ナンバーワンになったこともあります。
覚えが早く訓練しやすいですが、仔犬期に過保護にするとわがままになるので注意が必要です。
2017年アメリカ人気犬種ランキングでは29位となっています。
(日本では2017年26位)
ボストンテリア
ボストンテリアはブルドックとブル・テリアの祖先として数少ないアメリカ原産の犬の一つで、アメリカの代表的な国犬として知られています。
最初は20kg以上ありましたが、選択繁殖を繰り返して小型化されるうちに闘争的な面は減少し、現在では家庭犬や愛玩犬として飼われています。
ボストンテリアは体重区分のある犬種で、「6.8kg未満・6.8~9kg未満・9~11.35kg」の3つに分けられています。
小型ながらもがっちりした体形に滑らかな被毛をもち頭部には皺がないのが特徴です。
2017年アメリカ人気犬種ランキングでは、21位にランクインしています。
(日本では2017年24位)
関連記事:ボストンテリアの飼い方とは?性格、大きさ、被毛の子犬の価格
オーストラリアン・シェパード
原産国はアメリカですが、オーストラリアやニュージーランドの犬をもとにアメリカで牧羊犬として改良を完成されたのでオーストラリアン・シェパードと名付けられました。
現在ではアジリティードッグ、捜索犬、救助犬としても素晴らしい働きを見せています。
護衛本能が強く利口な作業犬で、1日中働き続けても平気な持久力をもちます。
大人しい性格で犬同士でもめったに喧嘩をすることがなく温厚さと愛情深さが飼いやすいことから特に人気があります。
2017年アメリカの人気犬種ランキングでは17位にランクインしています。
(日本では2017年57位)
関連記事:オーストラリアンシェパードの性格、身体の大きさ、寿命、子犬の価格は?
アラスカンマラミュート
最も古い北方系のそり犬で、北方系のサモエード、シベリアン・ハスキー、グリーンランドのエスキモー犬などと深い関係があるアラスカンマラミュート。
比較的、古くからいる犬ということもあり、正確な起源は不明です。
オオカミに似た風貌を持ち、頑丈なボディーで厳しい自然にもパワフルに立ち向かい、そりや荷車を引いたり、狩猟や漁業にも使われアラスカに住む人々を助けてきました。
飼い主や家族に忠実で、友好的なので他の犬とも仲良くなれます。
運動を怠ると肥満になりやすい体質なので食事や運動などは十分な管理が必要です。
2017年アメリカ人気犬種ランキングは190位中59位となっています。
(日本では2017年87位)
関連記事:アラスカ原産のアラスカンマラミュートは日本で飼育できる?性格や大きさ、仔犬の値段は?
なお、最近では、このアラスカンマラミュートを小型化したアラスカンクリーカイという犬の人気が上っています。
産出こそ1988年と比較的、新しい犬ですが、シベリアンハスキーを大きく小型にしたアラスカンクリーカイはアメリカ国内で注目犬種の一つされ、小型犬が人気の日本でも、近い将来、注目の的となる可能性もあります。
関連記事:ハスキーの小型犬、アラスカン・クリー・カイってどんな犬?性格、寿命、ブリーダーの販売価格
アメリカンアキタ
秋田地方の山間部で狩猟犬として活躍していたアキタマタギ犬を祖先とし、中型より多少大きめの秋田を闘犬用に大型化して改良されました。
第二次世界大戦中には秋田が日本軍の兵士の防寒衣料として毛皮を使用する目的で次々と供出されるという悲しい時代もありました。
第二次世界大戦後は、アメリカ軍によって連れ帰られた秋田犬が、アメリカの風土に合わせて改良され、日本の秋田とは別の犬種として発展し、独自のスタイルや性格をもつ犬として現在に至っています。
2017年アメリカ人気犬種ランキングは47位です。
(日本では2017年43位)
関連記事:アメリカンアキタと秋田犬の違いとは~性格、大きさ、飼育は難しい?
アメリカン・フォックスハウンド
フォックスハウンドにはアメリカン・フォックスハウンドとイングリッシュ・フォックスハウンドがあります。
アメリカン・フォックスハウンドの愛好者としては、アメリカ合衆国初代大統領のジョージワシントンはよく知られています。
ワシントンはより体高が高く優れた運動神経を持ち単独で仕事ができる犬種を目指して、フランスとイギリスのハウンドを使ってこの犬を作出しました。
群れでも走ることも単独で狩りをすることも得意としています。
2017年人気犬種ランキングでは187位でした。
(日本ランキングは該当なし)
トイフォックステリア
トイフォックステリアはスムース・フォックステリアにミニチュア・ピンシャー、イタリアン・グレーハウンド、チワワ、そしてマンチェスター・テリアを掛け合わせ出来上がった犬種です。
AKCでは2003年に犬種として公認され、アメリカン・トイ・テリアとも呼ばれています。
テリアのやんちゃさを保ちながらも、どこか飼い主をほっとさせてくれる穏やかさもあります。
優れたネズミハンターでトイとはいってもテリアの狩猟欲は十分残っているので、
乳幼児がいる家庭のペットには注意が必要です。
2017年アメリカ人気犬種ランキングでは190位中、112位です。
(日本ランキングは該当なし)
まとめ
以上がアメリカ原産の犬種になります。
日本国内における人気犬種がいないせいか、やや地味な印象がありますが、いずれも魅力ある犬であることには変わりありません。
全体的に飼育の難易度はやや高めですが、条件さえ揃えば、問題なく飼うことができる犬種でもあります。
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