アラスカン・クリー・カイとはアメリカ原産の、アラスカンマラミュートの小型化を目指して作出された犬種です。
テレビで見たことがあるけれど、実際にお目にかかることはない犬の一種としても知られています。
それもそのはず。
正式な犬種として完成したのは1988年と歴史的に浅く、安定して子犬が産出されるようになったのもここ近年になってから。
本場アメリカでもこのような状態になったばかりで、日本国内で飼われるどころか子犬が入ってくる機会さえほとんどありません。
実際、大半の個体がアメリカ国内で飼育されています。
今回は希少犬だけれど、魅力たっぷりのアラスカンクリーカイについて紹介していきたいと思います。
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目次
アラスカンクリーカイの特徴
アラスカンクリーカイの特徴を一言で表すならば、小さなシベリアンハスキー。
犬名のクリーカイはイヌイット語で「小さな犬」という意味で、どういった意図をもって産出されたかが犬種名からも窺えます。
被毛の色、目の色こそ違うものの、私たち日本人にもお馴染みの柴犬のような印象で、大きさという面でも非常によく似ています。
シベリアンハスキー同様、目の色も個体によって異なり、やはり青い目の子が人気があります。
アラスカンクリーカイの誕生まで
アラスカンクリーカイの作出の開始は1970年。
小さな身体のアラスカンマラミュートの作出を目的としスタート。
まずはアラスカンマラミュートとシベリアンハスキーを交配し、これによって生まれた犬をスキッパーキ、アメリカンエスキモードッグといった、やや小さめの犬と交配させることで小型化に成功。
改良を重ねて1988年に世に誕生。
7年後の1995年には犬種クラブが誕生し、以後は飼育頭数が少しずつ増えていきます。
アメリカではかなりの人気を誇り、ハスキーのような大きさ犬を飼うのが難しい家庭で多く飼われています。
冒頭でも紹介したとおり、大半の個体がアメリカ国内で飼われ、日本では見ることはほとんどありません。
しかし、シベリアンハスキーが流行った時期がありましたし、飼いやすく小型化されたこともあり、今後、日本でも人気が出てくる可能性も十分にあり得ます。
アラスカンクリーカイってどんな性格?
アラスカンクリーカイの性格はとにかく元気で活発。
子犬の頃は特に顕著ですが、身体は小さいため、じゃれあっているだけで痛い思いをするようなこともありません。
その反面、神経質で警戒心が強く、時に無駄吠えが激しいという、狩猟犬だった名残があります。
番犬としては優秀ですが、完全に室内犬として飼う場合は適切なしつけが求められることも。
幸いにも賢い犬種でもあるので、しつけに苦労するようなこともありません。
身体の大きさ
身体の大きさはトイ、ミニチュア、スタンダードの三段階に分かれ、一番小さいトイで体高23~32cm、体重が4kg。
最も大きいスタンダードでも38~43cm、体重も10kg程度と、かろうじて小型犬に分類されています。
ご覧の通り、同一犬種でも体高の最小値から最大値まで約20cm、体重も2倍以上とサイズに大きな開きがあります。
これは小型化を狙って生み出された犬や歴史が浅い犬種にありがちで、身近なところでいえば豆柴にも同じことが言えます。
※こちらは正式な犬種ではありません。
アラスカンクリーカイとシベリアンハスキーとのサイズの違い
アラスカンマラミュートの小型化を目的として作出されたアラスカンクリーカイですが、シベリアンハスキーと比べられることが度々あります。
国内では馴染みがあり、見た目が似ているというのが主な理由ですが、両者の大きな違いは身体の大きさ。
一般的なシベリアンハスキーは体高が50~60cm、体重が15~25kgと完全に中型犬に分類されるのに対し、アラスカンマラミュートは最も大きなスタンダードタイプでも体高38~43cm、体重10kgと小型犬になります。
体重に関しては一番大きいスタンダードの2倍以上になり、一目で違いが分かるほどです。
被毛の特徴とカラー
毛質はオーバーコートとアンダーコートのダブルコート。アラスカの犬らしく寒冷地仕様といえます。
シベリアンハスキー同様、かなりのボリューム感があり、寒さに耐えられるようになっています。
被毛のカラーはシルバー&ブラック、ホワイト&ブラック、ホワイト&レッドの混合で、その他の色については正式な犬種として認められていません。
アラスカンマラミュートやシベリアンハスキー同様、暑さには弱いところがあるので世界的に見えても温暖な地域で飼われることはほとんどなく、本国アメリカでも大半の個体が北部、カナダ周辺で飼育されています。
市場ルートが育ってきているものの日本で飼われることがほとんどないのには、気候面の相性の悪さというのもあるのかもしれません。
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小型犬らしく寿命は長い
アラスカンクリーカイの寿命は12~15年とされています。
身体が大きめなシベリアンハスキーと比べても長いとされていますが、これはあくまでアメリカでの話で、日本国内での飼育頭数が極端に少ないため、実際のところは分かりません。
元々、寒い地域の犬なので、日本の過酷な夏を過ごすことで、寿命にどう影響を及ぼすのかは気になるところではあります。
日本国内にブリーダーはいる?子犬の値段は?
2017年頃までは手に入れるのは不可能とされていましたが、日本国内からでも購入が可能になりつつあります。
ただ、やはり希少犬種ということもあり、子犬の値段は高額になります。
流通ルートによりますが、およそ60~80万円、血統によっては100万円にもなることも少なくありません。
※近年は円安の影響でさらに高額になっています。
一部のオーナーに人気の犬ですが、アメリカでもブリーダーが極端に少ないこともあって、値段は完全にブリーダー次第。
アメリカにおいても品種を守るべく、輸出したり、広める動きは一切なく、入手ルートも確立されていないので、しばらくは現在の値段のまま推移するものと思われます。
なお、アメリカ国内向けに販売されている子犬も日本円で約50万円程度なので、本場であってもお手軽な犬というわけではなさそうです。
まとめ
ハスキーの小型版とも言われることがある、アラスカンクリーカイの特徴は以上になります。
・犬種登録から30年足らず
・体重はハスキーの半分
・被毛は寒冷地仕様
・かなりの高額
・日本からでも購入は可能
今後、人気が出てくる可能性はありますが、現状は国内のブリーダー次第といったところ。
高額なため、簡単に飼える犬ではありませんが、ハスキーの要素が強く、身体も小さいということで、人気が出てくる要素はいくつもあります。
共に過ごす時が来た時は是非とも当ページを参考にしてみてください。